逆境の中で光った決断力
瑞原明奈が選び続けた
“前へ出る麻雀”
文・宮水さくら【木曜担当ライター】2026年2月12日
第1試合
東家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
南家:永井孝典(EX風林火山)
西家:阿久津翔太(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
この一戦で注目したいのは、U-NEXT Pirates・瑞原明奈だ。
パイレーツは現在、レギュラーシーズンのチームポイントが −815.3ポイントで10位。セミファイナル進出ラインである6位・赤坂ドリブンズ(−82.6ポイント)とは大きな差が開いており、状況は決して楽観視できない。順位表だけを見れば、厳しい現実が突きつけられていると言っていいだろう。
それでも、試合は一局一局の積み重ねでしか動かせない。
どんな展開であっても、自分の麻雀を打ち続ける──瑞原がこれまで何度も見せてきた冷静な判断力と粘り強さが、チームにきっかけをもたらせるかが注目される。苦しいシーズンの中で迎えたこの登板。瑞原の一打一打が、パイレーツの意地を示す戦いとなる。
東2局
瑞原の手牌に最初の分岐が訪れる。
を引き、456の三色が見える形。しかし、ドラは
。三色に寄せるとドラの
が使いづらくなる。一方で
を切れば、ピンズの![]()
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が伸びた際にタンヤオも視野に入るなど、複数のルートが考えられる難しい手牌だった。
その中で瑞原が選んだのは
切り。456の三色を見切り、ドラの
を活かしながら受け入れ最大のイーシャンテンに構える選択だ。すると、その後
を暗刻にし、![]()
待ちで先制リーチ。先ほどの選択がしっかりと実を結んだ形となった。
リーチ時の山には待ち牌が5枚。苦しいチーム状況の中、ここは何としても決めたい局面だ。解説の前田氏の言葉どおり、ツモに向かう手にも自然と力がこもっているように映る。
瑞原は
をツモ。
リーチ・ツモ・赤赤・ドラに裏1が乗り、3000-6000のハネマン。大きな加点に成功した。
東3局
この局にも再びチャンス手が入る。
・
、そして![]()
の受け入れがある1シャンテン。
ダブルリーチこそならなかったが、数巡後に
を引く。ここで
を残せばペン
の受けも残るが、瑞原はあえてツモ切り。
浮いている
周辺のくっつきによる良型変化を見据えた一打だ。
を引いて
・
のシャンポンでテンパイが入るも、ここでもリーチとはいかない。
を切り、再び
・
のくっつき形へ戻す選択。すぐに
を引き入れ、![]()
待ちで改めて先制リーチに。
このリーチに対し、阿久津がツモ切った
を一発で捉える。
リーチ・一発・ピンフ・ドラ1の8000点。丁寧に手順を重ねた進行が、そのまま結果へとつながった。
チームとしては依然厳しい位置にいるパイレーツだが、まずはこの一戦でしっかりトップを取り、反撃への足がかりを作りたい。そんな思いが伝わってくる立ち上がりとなった。
南1局2本場
親の松本が、タンヤオの
単騎テンパイから、![]()
待ちへと変化して先制リーチを放つ。
このリーチを受けたトップ目・瑞原の手牌は、ドラドラ赤を抱えたカン
・カン
・カン
といったリャンカン形の1シャンテン。
打点は十分に高いが、相手は親番のリーチ。しかも自身はトップ目という状況で、押し返すかどうか判断が非常に難しい局面だ。
そんな中、瑞原は松本に通っていない
を引き入れる。しかしここで引かず、
を押した。点棒状況だけを見れば守備寄りの選択も十分考えられる場面。それでも手牌価値を信じ、前へ出る決断を下した。
その後、カン
を引き入れてテンパイ。
を切ってカン
待ちの追っかけリーチに踏み切る。
このリーチに対し、阿久津が放った
を捉える。リーチ・一発・ドラドラ・赤の8000は8600のアガリに。大きな加点に成功した。
トップ目にいながらも局面を見極めて押し返した瑞原。苦しいチーム状況の中で、流れを自ら引き寄せる力強いアガリとなった。
南4局
3・4着争いが熾烈なまま迎えたオーラス。
3着浮上を狙って仕掛けを入れていた阿久津が、
と
のシャンポン待ちでテンパイを入れる。















