そんな亜樹の出した結論がのアンカンだったのだろう。
第2次大戦の幕開けだ。
しかし嶺上から引いてきた牌がド無筋のとあっては、さすがに無茶はできず。
を切ってオリに回る。
黒沢の1人旅になるだろう。
否!
高宮がカン待ちで追いつきリーチ!
黒沢とのインファイトに持ち込む。
2人の殴り合いか…
否!
さらにさらに魚谷も参戦!
タンピンドラドラで殴り掛かるが…
またしても流局。
亜樹が一人、和解金を支払う形で終戦。
南1局2本場、4本の供託をめぐり各国の争いは激化する。
先制の聴牌は親の黒沢。
自風のを鳴いて待ち。
続いて追いついたのは亜樹。
なんとツモり四暗刻で聴牌。
第3次大戦のゴングが鳴る。
両者アガれぬまま亜樹は最後のツモ番。
黒沢に対して非常に危険なを引かされる。
どのくらい危険かって、地雷原でコサックダンスをするくらい危険。
もうツモ番は残っていない。
亜樹はオリるだろう、そう思った。
しかし亜樹はこのを押した。
もうツモ番が無いのにである。
亜樹のバランスが明らかに、明確に、いつもと違った。
最年少女子プロとして麻雀の世界に足を踏み入れて以来、プロクイーン、モンド王座、女流桜花…数々のタイトルを総なめにし、トップの座を譲ることなくここまでやってきた。
ここで負ける事なんて絶対にあってはならない。
終盤の押し引きに、理論を超えた女王のプライドを見た。
しかし魚谷とて、亜樹の王座をただ眺めているわけではない。
このをポンして亜樹の当たり牌を止めて聴牌を取る。
第3次大戦、高宮の和解金支払いにより終戦。
南1局2本場、各国の緊張は遂にキューバ危機のごとき高まりを見せた。
先制の聴牌は魚谷。
タンヤオドラ1の待ち。
直後、亜樹も追いつく。
ダブを鳴いて待ち。
第4次女流大戦、開幕。
さらに応戦したのは高宮。
なんと場に6枚見えので力強くリーチ。
この女流大戦がいよいよ終焉に近づいているのを感じた。
供託5本の3本場、場に5900点が落ちているのだ。
もう誰もオリることはない。
この局で誰かがアガる…。
―――「ロン、2000は2900」
高宮が掴んだのは、言わずもがな亜樹のアガリ牌だ。