油断したら噛み殺す!天才・茅森早香は猫を被った女豹【熱論!Mリーグ】担当記者:真中彰司

熱論!Mリーグ【Thu】

油断したら噛み殺す!

天才・茅森早香は

猫を被った女豹

文・真中彰司【木曜担当ライター】2018年11月8日

時々目にする

「あなたは犬派?それとも猫派?」

といったアンケート。

私はと言えば、圧倒的な猫派である。

程よい脱力感で気ままに生きている姿が実に羨ましい。

最近は寝る前によく猫の動画を見ているのだが、今夜の猫は戦闘態勢だった。

 

猫は猫でも、「天才すぎる女雀士」こと、セガサミーフェニックスの茅森早香選手である。

ここまで6戦を終え、着順分布は1-0-3-2の-90.4pt。

12.1%というリーグ最下位の和了率が祟って、個人では下位に沈みかけている。

チームとしても、ポイントを上積みして上位を追いかけたいところだ。

そんな2勝目を目指す茅森、試合前の様子はこんな感じ。

 

相手を想定してイメージトレーニングか。さすが天才。

わざわざ「まじめです」とタグ付けするとはマメだなあ…

今日はどのような打ち回しを見せてくれるだろうか?

【第1試合】

瀬戸熊直樹(チーム雷電)

村上淳(赤坂ドリブンズ)

高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)

茅森早香(セガサミーフェニックス)

第1試合の対戦相手は村上・瀬戸熊・高宮の3人。

ちなみにこの3人、リーグ内で副露率が最も低いトリオである。

試合はリーチが飛び交う打撃戦に。

 

茅森も東1局にこのチャンス手をリーチでぶつけるが、ツモれず流局。

 

東1局3本場にやっとの思いで三色・赤1の500-1000を上がる。

面前にこだわらず、瀬戸熊の連荘を止めたという点では価値のあるアガリだ。

しかし、トップにはまだ遠く及ばない。

そこから茅森は、羽化の瞬間を地中で待っているセミのように、ただひたすら耐え続けた。

 

高宮に6000オールをツモられても…

 

親番で早いリーチを受けて手が整わず、オリを余儀なくされても…

ただひたすらに耐え続けた。地中のセミのように。

ただ1つセミと違う点は、粘れる場面ではしっかり粘っていたというところだ。

 

南2局、2軒リーチとドラポン含む3副露を受けた場面。

瀬戸熊の切ったをポンして、を真っ直ぐ叩き切った。

この、高宮には全くの無筋であるが、もしカンでアガれれば大きい。

ただ待つのではなく、出来る限りのことをこなしながら待つ。

そんな意志の見える一打だ。

そして南4局、これまでの地道な我慢が、最後に実を結んだ。

 

わずか5巡目でチートイツ・ドラ2・赤1のテンパイ。

4巡目の切りを見て、単騎でリーチに踏み切った。

不幸にもこのリーチに飛び込んだのがトップ目のドリブンズ・村上。

 

この手詰まりの状態。選ばれたのは、だった。

 

なんと裏も乗って24000。一撃でトップとラスが入れ替わってしまった。

これにはさすがの村上も呆然自失。

自慢の元気な返事も、この時ばかりは声が出しにくかったように見えた。

トップが目前だっただけに、まさに青天の霹靂だろう。

 

「茅森め、ここまで大人しくしていたのに…猫を被っていたのか!」

そんな心の声が聞こえてくるかのようだ。

 

この時の茅森の目が実に印象的だった。

ジッと耐えていた南3局までとは違う、獲物を捕らえた目。

「私がそんな簡単に終わるわけがないでしょう?」

そう主張しているように見えた。

その瞬間、私は確信した。

茅森は、猫は猫でも、卓上ではヒョウに変貌する。

そして、猫を被ってトップを奪い去っていくのだ。

試合はこの倍満が決定打となり、茅森が2勝目を挙げた。

インタビューではイメージトレーニングについて聞かれた茅森。

ここで想定外の解答が。

 

「実は、ドラマを見てリラックスしていました」

ドラマかよ!麻雀の動画じゃないのかよ!

「まじめです」というタグは一体なんだったのか…(笑)

緊張をほぐすため、麻雀以外のことでリラックスしていたようだ。

もちろん努力はしているのだろうが、それを微塵も感じさせない脱力っぷり。

これが「天才」たる所以なのだろう。

【第2試合】

鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)

茅森早香(セガサミーフェニックス)

萩原聖人(チーム雷電)

高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)

茅森は2試合目も勢いそのままに連続で出場。

 

東2局ではリーチ・ドラ・赤2のカンでリーチ。

萩原の追っかけリーチを受けるも、ラス牌をツモって4000オール。

その後も順調に点数をキープし、2着目と6200点差で迎えた南4局。

この南4局で事件は起こった。

 

まずはラス目のたろうが着順上昇を狙ってリーチ。

 

そこに連荘したい高宮が必死の形式テンパイを入れる。

 

既にをポンしていた茅森。

オリ気味だったが、海底でテンパイが取れるを持ってきた。

ここで高宮に点差を詰められるのを嫌がったか、を打ってたろうに8000の放銃。

なんと2着に転落してしまった。

 

勝利が目前にあったのに…なんという非情なツモだろうか。

先ほど大逆転のカギになったがこんな形で自分に牙をむこうとは。

まさに「窮鼠猫を噛む」

ラスまで追い詰めたたろうに、逆に痛い目にあわされてしまった。

裏ドラが乗っていれば3着落ちまで有り得た場面。

裏ドラが乗らずに2着で済んだのがケガの功名か。

結果的にこの試合は今日バースデーの高宮が初トップ。

この日の茅森は1着2着と、ポイントはプラスでまとめた。

しかし、に笑い、に泣く1日となったことも確かだろう。

どんな思いで帰ったのだろうかとツイートを見てみると…

 

あれ…むしろ最後の放銃すら喜んでないか?

圧倒的なプラス思考。それもまた、茅森の長所なのだろう。

そんな彼女はメガネ着用での出場を検討している様子。次回が楽しみだ。

そして、明日は高宮の初トップを複雑な思いで見届けた、あの軍師が動き出す…

真中彰司

関東の理系大学院に在学中の学生。個別指導塾の数学講師という顔も持つ。主に統計学を研究する傍ら、都内各地にて麻雀修行中。

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