南2局、2軒リーチとドラポン含む3副露を受けた場面。
瀬戸熊の切ったをポンして、を真っ直ぐ叩き切った。
この、高宮には全くの無筋であるが、もしカンでアガれれば大きい。
ただ待つのではなく、出来る限りのことをこなしながら待つ。
そんな意志の見える一打だ。
そして南4局、これまでの地道な我慢が、最後に実を結んだ。
わずか5巡目でチートイツ・ドラ2・赤1のテンパイ。
4巡目の切りを見て、単騎でリーチに踏み切った。
不幸にもこのリーチに飛び込んだのがトップ目のドリブンズ・村上。
この手詰まりの状態。選ばれたのは、だった。
なんと裏も乗って24000。一撃でトップとラスが入れ替わってしまった。
これにはさすがの村上も呆然自失。
自慢の元気な返事も、この時ばかりは声が出しにくかったように見えた。
トップが目前だっただけに、まさに青天の霹靂だろう。
「茅森め、ここまで大人しくしていたのに…猫を被っていたのか!」
そんな心の声が聞こえてくるかのようだ。
この時の茅森の目が実に印象的だった。
ジッと耐えていた南3局までとは違う、獲物を捕らえた目。
「私がそんな簡単に終わるわけがないでしょう?」
そう主張しているように見えた。
その瞬間、私は確信した。
茅森は、猫は猫でも、卓上ではヒョウに変貌する。
そして、猫を被ってトップを奪い去っていくのだ。
試合はこの倍満が決定打となり、茅森が2勝目を挙げた。
インタビューではイメージトレーニングについて聞かれた茅森。
ここで想定外の解答が。
「実は、ドラマを見てリラックスしていました」
ドラマかよ!麻雀の動画じゃないのかよ!
「まじめです」というタグは一体なんだったのか…(笑)
緊張をほぐすため、麻雀以外のことでリラックスしていたようだ。
もちろん努力はしているのだろうが、それを微塵も感じさせない脱力っぷり。
これが「天才」たる所以なのだろう。
【第2試合】
鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
茅森早香(セガサミーフェニックス)
萩原聖人(チーム雷電)
高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
茅森は2試合目も勢いそのままに連続で出場。
東2局ではリーチ・ドラ・赤2のカンでリーチ。
萩原の追っかけリーチを受けるも、ラス牌をツモって4000オール。
その後も順調に点数をキープし、2着目と6200点差で迎えた南4局。
この南4局で事件は起こった。
まずはラス目のたろうが着順上昇を狙ってリーチ。