熱論!Mリーグ【Thu】
身内がMリーガーになった件
二階堂、前原、白鳥ら怪物たちと闘う弟
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2018年10月4日
10月4日(木)に行われた、大和証券Mリーグの観戦記をお届けいたします。全局分ではなく、特に印象深い局をハイライトでご紹介いたします。なお、弟である朝倉康心のMリーグデビュー戦が、私のMリーグ観戦記初戦と重なりました。事実は小説より奇なり、ですね。
まずは1回戦。

東1局 東家・朝倉の親リーチを受けて、二階堂の手牌。

二階堂はここから打を選択。親が2巡目に
を切っているので、
は比較的安全。また、
を切っての変化待ちは、手がわりしたときにマンズが余ってしまう。
愚形での親リーチ勝負を避け、と
の変化を待ちながら、場に安いピンズにアガリを求めた柔軟な一打だ。

その後、を持ってきて
連打。
は朝倉のアタリ牌である。守備力に定評のある二階堂らしい見事なプレイだった。
東1局は朝倉の1人テンパイで流局し、続く東1局1本場は、

朝倉自らが「1番好きな牌」というで4100オールのツモアガリ。相変わらずデジタルなのかオカルトなのかよくわからないへんなやつである。
続く東1局2本場。二階堂にチャンスが訪れる。好配牌からを暗カンして、

3巡目にこの形でリーチ。
そこに立ち向かっていったのが白鳥であった。

ション牌の、筋ながらもドラの
、
と押して現物の
待ちでタンヤオ三色赤の満貫のテンパイ。さらに
と鬼神のごとく押しつづける。
二人のめくり合いで決着がつくと誰もが思ったそのとき、意外な人物が割り込んできた。
前原である。

前原はイーシャンテンになった11巡目に少考してを切っていた。このとき、カン
ペン
、それぞれの待ちでテンパイしたら、リーチに踏み切るかどうかを思案していたのではないだろうか。
果たして12巡目にカンで追いついた前原、
得意の「がらくたリーチ」で追っかけリーチに踏み切る。
先行リーチの現物である。2枚切れであろうと山にいる、と読んで勝負に踏み切ったのだろう。
3人のめくり合いの結果は…
「ギャーーーーーーーーーーーー!!」

実況席とお茶の間に悲鳴が響きわたった。まさかの前原一発ツモ。裏も1枚乗って2200-4200のアガリ。
がらくたリーチおそるべし。
次のハイライト、東3局は白鳥のこの手牌、

ドラのがトイツの手。2巡目に
を鳴いた白鳥が選んだ打牌は…
1枚切れの。
トイトイ1本に決め打ち手するは、いかにもドラの対子が匂ってしまう。ドラの香りを隠しつつ、浮いている
が横に伸びた場合には、メンツ手もにらんでいたのだろう。
少し進んでこの牌姿から、
ストレートにを切っていった。親の下家であるここは、ラス目二階堂の親を流す手としたのであろう。
ここに前原のリーチが飛んでくる。

この先切りが何ともにくい。
からポンして、
バックにとらない、と考えると当然なのかもしれないが、
ポン後の
を出やすくする効果と、
門前でリーチ出来た際に、こうして先切りを見せておくことによって、前原のリーチは何でもある、という意識を相手に持たせる効果がある。
どうせ、がらくたリーチの愚形だろ、と思って軽い気持ちで押したら良形にささる。
逆に、リーチにオリると愚形の押さえつけリーチだったりもする。
そうしていく間に、前原の術中にハマっていくのだ。
この局はけっきょく前原のツモアガリ。三人には、迷彩を施してある前原の良形リーチの残像が焼き付いたことだろう。
東4局。前原とのリーチ合戦を制して4000オールをツモアガった白鳥。6巡目にを両面でチー。

さて、何を切っただろうか?
白鳥の選択は打。心理的にドラ側の
をいち早く切りたくなるが、これもドラトイツの匂いを出来るだけ消す作戦。

次にを引いてもツモ切り。次に
を引いて安全度の高い
を残して
切りとした。
実に繊細な打ち方だ。
ここに立ちはだかったのが…もう言わなくてもお分かりだと思うが前原である。
この2pをきった意図を本人に聞いてほしいです笑