俺たちの恋人 二階堂亜樹と過ごす史上最長の夜【熱論!Mリーグ】

熱論!Mリーグ【Tue】

俺たちの恋人

二階堂亜樹と過ごす

史上最長の夜

文・ZERO【火曜担当ライター】2018年10月16日

 

史上最長の夜

朝晩めっきり冷え込むようになった。

しかし、昨日行われたMリーグの2回戦は、その寒さを感じさせないほど熱く、そして長かった。

全23局にも及ぶ戦いはMリーグ史上最長だろう。その熱くて長い戦いを、なるべくわかりやすく、そして熱く、お届けしていきたい。

東一局、親の瀬戸熊は

このカンのテンパイをとらず、を切った。すぐリーチを打つ人もいれば、瀬戸熊同様を切る人も多いだろう。

このような時の瀬戸熊の判断基準は「クマクマスイッチ」が入っているかどうかによる。

瀬戸熊直樹。

日本プロ麻雀連盟の最高タイトルである鳳凰位と十段位も3回ずつとっている。他にも獲得したタイトルは数知れず、連盟のエース的存在といえるであろう。基本に忠実に打っているように見えるが、時折スイッチが入ったように棒攻めが始まり、相手の心が折れるまで点棒をかき集める。その時間を人は「クマクマタイム」と呼んでいる。

今回の手牌、全体的にソウズが安い(相手に使われていなさそう)のもテンパイとらずを後押ししたのだろうと思う。

すぐにをツモってリーチするも、流局。

その後も重苦しい展開が続くが、瀬戸熊は細かいアガリやテンパイ料などを重ね、4本場まで続いた東一局が終わるころには、39600点まで点棒を集めていた。

東2局も園田から8000のアガリ。

捨て牌を見ての通り、早くてよい待ちで、いよいよ「クマクマタイム」に入るかと思われた。

その瀬戸熊の猛攻に待ったをかけたのが

ラス目で親番を迎えた二階堂亜樹だ。亜樹ちゃんの画像は貼れば貼るほどPVがあがるよ!と聞いたのでどんどん貼っていこうと思う。

二階堂亜樹。

女流プロの草分け的な存在。麻雀とは縁遠そうな愛らしいルックスでデビューし、すぐに人気爆発。日本中の麻雀打ちが彼女に恋をした。彼女をモデルにした漫画や映画もあり、その劇中でも描かれている通り、麻雀のために生まれ、そして麻雀に導かれるように生きてきた女性でもある。

私も例外ではなく亜樹ちゃんが好きだ。

なお、女の子に対し、抵抗なく「ちゃん」づけで呼ぶようになったら、おっさんの始まりだと言えよう。

おっさんの始まりの話はおいといて、亜樹の親の始まりは散々だった。

丁寧に上下を揃え、理牌をし、そしてゆっくり第一ツモを持ってくる。

やっとれるかーい!

役もない。ドラもない。卓をひっくりかえしたくなるような配牌。

しかし丁寧に字牌・端牌を処理していると、意外にも一番手でテンパイを果たしたのであった。

1枚切れているカンだが、リーチ。

いちいちかわいらしくて逆に腹が立ってくるが、まぁ親リーだし、みんなの足が止まればいいかな、という表情に見える。

しかし、同巡、園田が

マンガン確定の追っかけリーチ。さらに同巡

瀬戸熊もこの手牌で追いつき、トップ目でありながら超危険牌のを切ってリーチ。これは「クマクマタイム」中という認識なのだろう。

親リーチに追っかけるという事は、相応の打点や待ちであることが推測される。足止めリーチのつもりが同巡にその追っかけをくらうとはなんたる不運。知っている、経験上これはどちらかに確実にやられるやつだ。

しかし女神は…

女神に微笑んだ。

日本中が熱狂したに違いない。

続く一本場。

亜樹はここからドラのをリリース。

亜樹は過去に「ドラは恋人。だからこそ見切り時が大事。」という名言を残していた。

それにしても見切り早くないか?(笑)亜樹ちゃんシビア(>_<)

ただ、亜樹の重厚な打ち筋を知っている周りの打ち手に緊張感が走る。そう思わせといて、相手の進行を遅らせるのが亜樹の狙いなのだろうか?

亜樹の手牌は淀みなく進み、

をツモってのリーチ。

このリーチを受けての瀬戸熊の選択。

この手牌。ホンイツのリャンシャンテンだが、亜樹の捨て牌にソウズは一枚も通っていない。

あの亜樹が恋人であるドラを早めに見切ってのリーチ。自分の手は3900のイーシャンテン。しかし瀬戸熊は

果敢にもと切り飛ばしていく選択をとった。「クマクマタイム」継続中という認識なのだろうか。いや、これは点棒状況をみてのことだろう。3着を競っている園田と白鳥は前に出てきづらい。指をくわえて亜樹の加点を眺めているよりかは、仕掛けの利く自分の手で亜樹の親を落としにいったのであろう。

トップ目で押すなんて無謀…と、感じる人もいるかもしれないが、トップ目だからこそトップを守るために押すのである。ここから3着以下に落ちる可能性は薄く、リスクも限定的と言える。

連盟の打ち手は「体勢」や「流れ」という目に見えないものを重視している。と言われ賛否を呼んでいるが、私には理論的に打っているようにしかみえない。

ところがすぐに

またしても日本中が熱狂する(笑)裏も乗って6000は6100オール。

あの手が6000オールになるかねしかし

だ…駄目だ…まだ笑うな…こらえるんだ…し…しかし…

って顔しているように見える。

(亜樹はこれまでにトップ目から何度もまくられており、本当はそんなこと思っていないだろうけども)

その後も細かいアガリを重ね、亜樹は55100点で南入りを迎える。

亜樹 55100 瀬戸熊31700 白鳥 14700 園田 -1500

そういえばMリーグが開幕して以来、女性のトップ者はまだ出ていない。

栄えある初回のトップは我らが二階堂亜樹か…!と誰もが思ったに違いない。

しかし、南一局の親、チーム雷電「金色の暴君」瀬戸熊直樹が立ちはだかる。

亜樹が

この手牌からまたしても恋人のはずのドラのをリリース。

亜樹ちゃんとっかえひっかえしないで(>_<)

東家・瀬戸熊がそのドラをポンしてこの手牌。役がないのでホンイツか役牌を鳴かないとアガれないが、ここで何を切るか。普通ならだろう。しかし瀬戸熊は

なんとホンイツの材料であるを切った。

これはホンイツになった時のための「ボカシ」だろう。

なお私は「ボカシ」があるやつよりも「無修正」が好きである。

いや、まっすぐホンイツにいくよ、という意味だが(汗)この「ボカシ」た切りが場を支配する。

上家の園田はこのイーシャンテン。どちらのトイツを落とすか。

長考して、今通ったばかりのを合わせるように切る。瀬戸熊がより後からを切ったのを見て、ソウズ周りをケアしたのであろう。このを瀬戸熊がチー。このペンを鳴けなければ瀬戸熊は相当苦しかったに違いない。

ただし、チーしてまだこの状態である。苦しいことに変わりない。しかし、瀬戸熊の魔法の切りはまだ効力を発揮する。

園田の手牌。フリテンなので、普通はここを切っていきたいが、下家の瀬戸熊の捨て牌をみてほしい。と手出しが入っているのである。チャンタか役牌アンコかわからないが、とにかくは気持ちが悪い。

園田はジットリと瀬戸熊の捨て牌を眺めたのち、力なくを抜いた。

亜樹もこの手でが切れず、

この表情。

やめろ!かわいい!はったおすぞ!

結局ギブ。ギブミーチョコレートだ。

あの瀬戸熊が先に切った打が全てだ。

相手に役を絞らせず、関係ない牌を過剰にケアさせていることがわかる。

この時点で瀬戸熊はまだ2シャンテンなのだが、周りがもたついているうちに必要牌を引き入れ…

6000オールをツモってしまう。

魔法のような「ボカシ」だったといえよう。

見えそうで見えないのも悪くない。

完全に「クマクマタイム」に入ってしまった。

この6000オールで亜樹の点棒に追いついた瀬戸熊は、次局、終盤にカンのイーペーコーでリーチ。

これを大胆不敵にツモり、亜樹を突き放した。

その後も、亜樹が追いついたり、オーラスに園田が猛連荘で箱下10000点のところからトップ争いに加わったり…といろいろあったが、最後は瀬戸熊がリードを守り切ってトップをとった。

亜樹はまたしてもトップ目からまくられてしまうどころか、園田にもまくられて3着になってしまった。

幸薄い美人というのも悪くない設定だが、やはり最後の勝利者インタビューを笑顔で受ける彼女の姿を待ち望んでいるファンも多いだろう。

Mリーグも3週目に入り、これまで腰の重かった打ち手もルールに対応して前に出てきているように感じた。いよいよこれからが勝負の本番…といった様相を呈している。

(瀬戸熊 +69.1 園田 +13.2 二階堂 -12.5 白鳥 -69.8)

 

ZERO(ゼロ)
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で『傀に学ぶ!麻雀強者の0秒思考』を連載中