楽しく、クールに、
そして”セクシー”に!
滝沢和典が掴んだ
”セクシー”な個人3連勝
文・渡邉浩史郎【木曜担当ライター】2024年11月28日
第1試合
東家:松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)
南家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
北家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)
端的に表すという点において、名称の簡単さ・短さは正義だ。
もちろん長いことで有名なものはいくらでもある。ピカソの本名、バンコクの正式名称、スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス……
しかし、こと”覚えてもらう”という一点において、名称の長いことが単純さ・短さより優勢になることはないだろう。
そんな時代の波の影響だろうか。Mリーグでも二つ名はどんどん短いもの・簡単なものになっている。
未完の大器はゴリラに、レディベルセルクはボディに、強気のヴィーナスはセレブに……
ある意味そういった時代の先駆者ともいえるのが滝沢。かつては難しいほうの”瀧澤”で活動していたこともあったが改名している。では二つ名の麻雀バガボンドも、今風に言い換えるなら……個人的にはセクシーを推していきたい。そんな一打が光る一日であった。
【東2局】親番、クールにイーシャンテン取らずで形を求める。お手本のようなベストの一打から……
残したにくっつけて、鮮やかな4000オールでトップ目に踊り立つ。
続く【東2局1本場】では意外な選択も見せてくれた。ドラのをポンしてイーシャンテンのこの形から……
上家:松ヶ瀬のリーチを受けたところ、がツモ切られる。これに手が止まる。
まず一般的なのはポンして打。現物を切って現物待ちにできる。
13からの打ちは当然太や茅森の読み筋に入るところではあるが、それ以上に松ヶ瀬が引いてきたときに(フリテンでなければ)確定でツモ切ってくれるというのが大きいだろう。
しかし滝沢が選んだのはチーして。
「危険牌切ってわざわざ非現物待ち?しかもポンにすれば切ってを筋にできるのに?」
滝沢はカンに感触が無いと見ているのだろう。
確かに河のバランスを見るとソウズマンズの中ごろがばらばらと切られているのに対し、ピンズはほとんど切られていない。
字牌も多く見えているため、手牌構成的に三者にピンズの真ん中がまとまっているケースはそこそこありそうだ。
一方のは茅森・松ヶ瀬が複数枚持っているケースが少ないため、カンより山にいそうと判断したのだ。
とどちらを切るかだが、まず単純に安全度が違う。
松ヶ瀬が親のドラポンに三枚切れので、役アリならばまずリーチに来ない雀風ということを考えれば濃いのは。
そのうえでさらに切りにしておくと、今度はを引いた時に、を切っての聴牌に変化したときにフリテンにならないというメリットもある。
この局は松ヶ瀬の和了りとなり、自身の和了りにこそ結びつかなかったが第一のセクシーが見られた局面であったと言えよう。
第二のセクシーは解説朝倉からも思わずセクシーが漏れ出たこの一打。
【南3局2本場】トップの太を追う場面。真っ直ぐ打つならだが……
それだと大体リーチのみや+1飜役になってしまう。ということで、滝沢の選択は。これなら七対子を消す代わりに、三色や一気通貫といった役をまだ狙いに行ける。
そして第三のセクシーはオーラスに現れた。
滝沢の条件は1600・3200以上のツモか跳満の出和了り。
手牌は5巡目でこの形。わかりやすく分解するなら
のくっつきのかたち
の筋の浮き牌
245667の両面+カンチャンの形にがアタマとして付属
この三グループに分けられる。
・ターツ不足
・アタマが不安定
・ツモマンガンのため、タンヤオやピンプかつツモ和了りやすい良形待ちにしたい