【 #神域リーグ2024 ファイナル第4試合観戦記】3年間の想い #咲乃もこ と、全員でつかみ取った最高の“アキレスマイル”!【文 #後藤哲冶 】

咲乃もこは神域リーグ初年度、多井隆晴監督に指名を受けて、チームアキレスに所属していた。

初年度はとにかくアキレスは向かい風で、最後まで優勝争いになかなか絡めずにシーズンを終えてしまった。

そして今年、神域リーグで初めて、古巣に帰ってくる形での指名となった、咲乃。
麻雀の実力と、全員と円滑なコミュニケーションがとれるバランサーとしての役割も買われて、再度の指名。
多井が麻雀を教えてきたVtuberは数多くいるが、その中でも咲乃はやはり特別なように感じる。

そして今年、その多井の元での優勝が、もう目の前にまで来ている。
今年から導入された新決勝方式。
かなり有利な立場で迎えるとはいえ、安心はできない。
自分がアガリを宣言するまで、この対局は終わらないのだから。

ファイナル 第4試合

東家 咲乃もこ (チームアキレス)
南家 緑仙   (チームヘラクレス)
西家 渋谷ハル (チームゼウス)
北家 歌衣メイカ(チームアトラス)

新決勝のルールをおさらいしよう。

現在のポイント状況はこのようになっている。
新決勝には順位点が無く、純粋にこのままの点数が各選手の持ち点になる。
そしてこの咲乃もこが持つ、186100点をどこかのチームが超えることができれば、その時点で終了。
逆に、咲乃はそれまでの間に、1回でもアガれば、優勝決定だ。

順位点が無いので、視聴者の方にも単純で分かりやすい方式だと言える。

アキレスが相当に有利なこの最終戦だが、麻雀は何が起こるかわからない。
それでは早速、内容を見て行こう。

東1局【發】を仕掛けたのは、ゼウスの渋谷ハルだった。

「(アキレスの)【6マン】【8マン】の手出しもうちょっと嫌だな」

このルールは、1位のチームを絶対にアガらせてはならない。
その時点で、決着がついてしまうからだ。
その点で、この新決勝に、渋谷ハルを抜擢したのはゼウスは英断だったかもしれない。

試合前、ゼウス監督のたろうからルールの説明を受けながら、渋谷がその言葉ひとつひとつをかみ砕いていく。
人一倍ゲームへの理解度が高い渋谷だからこそ、すぐにその本質に気付き始めていた。

渋谷が、300、500のツモアガリで延命。
常に咲乃の動向に気を遣いながら、自身のアガリを見る。
この究極の状態を任せるのであれば、まさしく渋谷は適任だろう。

今年のゼウスは、序盤多いに苦しんだ。
一時期負債は300を超え、セミファイナルで敗退も十分に考えられる位置にいたのだ。

しかし、チームは終盤大きく盛り返すことに成功。
桜の大きなトップを始め、渋谷も連投した第9節では1位2位と大健闘。
強気な『ゴリラ麻雀』を合言葉に、ここまで戦ってきた。

その最後の望みは僅かであっても、渋谷ハルが懸命に戦っている。

東2局

ヤバイ終わる終わる!」

咲乃が【發】を仕掛けた直後、親番の緑仙がすかさずリーチへ。
咲乃はアガれば優勝だが、親に対してはリスクを背負い辛い。打った時の打点が高く、また打ったチームの親番が継続してしまうからだ。

このリーチの裏で、アトラス歌衣がファインプレーを見せる。
リーチに対しては通っている【3ピン】を、歌衣が止めたのだ。

「今更緑(緑仙)がアガろうがどうでも良いわ。もこがアガりさえしなきゃ良い」

緑仙のリーチは放置しても良く、とにかく咲乃に厳しく打つ。

実際、この【3ピン】が切られていたら咲乃に【4ピン】【7ピン】待ちのテンパイが入っていた。
歌衣の、ナイスストップ。

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