【 #神域リーグ2024 ファイナル第4試合観戦記】３年間の想い #咲乃もこ と、全員でつかみ取った最高の“アキレスマイル”！【文 #後藤哲冶 】

数巡後、歌衣が緑仙へ3900の放銃。
新決勝はこのように、とにかく１位のチームにだけアガらせ無ければ良いという発想になるため、このような形になりやすい。

東２局１本場

歌衣がを残し続け、見事三色のテンパイを果たしてリーチ。
これに親番の緑仙が突っ込む形で、今度は歌衣のアガリ。

「俺たちで乳繰り合ってるこの時間ホンマに無駄ｗ」

確かに、現状咲乃の点数は減っておらず、延命処置になっているのは確かだ。

アトラスは今年、スタートダッシュに成功したものの、その後は苦しい展開が続いた。
ファイナル２戦終わって、まさか一番優勝から遠い位置にいるとは、序盤から考えると想像もできないほどに。
それでも、チームの雰囲気が落ち込むことはなかった。
風見がなかなかトップを取れない中でも、チームメイトは常に、明るく励ましていた。

東３局

ドラポンでバックのテンパイを入れていた緑仙が、今度は歌衣から取り返す形で8000のアガリ。
これも優勝が近づいているか、は微妙だが、最終順位を決める上では大きなアガリ。
仕掛けを入れた咲乃に対して、プレッシャーをかける意味でもドラのポンは良い仕掛けだった。

ヘラクレスは今年、一番チームカラーがハッキリしていたチームのように感じる。
長尾と龍惺ろたんが騒いで、緑仙も良いようにバランスをとりながら盛り上げる。
それを「うるせえ」と口では言いながらも、どこか楽しそうな松本監督。

終盤、突然訪れた大不調で大きく順位を落とすことになってしまったヘラクレスだったが、その間も控室の雰囲気は明るかった。

東４局１本場　

周りが先制してなかなかアガリのチャンスをもらえなかった咲乃。
しかし、咲乃はむしろこの展開を歓迎していた。確かに自分のアガリはできていないが、他に大きなアガリも生まれていない。
こうして我慢していれば、いつか自分のアガリチャンスが来ると信じて、咲乃は機会を伺っていた。

歌衣から切られた、を咲乃がチー。
いわゆる、シャンテン数の変わらない鳴き、というやつだ。
こうしておくことで、タンヤオで鳴くことができる。
アガれば優勝のこの局面では、なによりもアガることに重きを置きたい。

しかしその咲乃のアガリはさせまいと、渋谷が前に出てくる。
ホンイツのイーシャンテン。こうしておくことのメリットは大きい。

渋谷の上家に座る緑仙は、特に渋谷に対して絞ることはしない。
別に渋谷にアガられてしまっても、問題はないからだ。むしろ絞った結果、咲乃にアガられてしまう方が、困るのだから。

渋谷から出たを鳴いて、緑仙もテンパイ。トイトイの仕掛けで、咲乃のアガリに待ったをかける。

続けざまに渋谷もホンイツのテンパイ。咲乃の包囲網が出来上がる。

遅れて、咲乃にもテンパイが入る……！
このテンパイが入った時の待ち取りを、咲乃は早い段階から決めていた。

「赤切って、単騎」

通常、赤を切った人が、その近辺で待っていることは考え辛い。
例えば、のの形で当たるなら、赤を使うのが自然だからだ。
しかし今咲乃は、とにかくアガリが欲しい。打点はいらない。
だからこそ、少しでも出やすい単騎に取ると、前もって決めていたのだ。

同じく、タンヤオのテンパイで咲乃のアガリをかわそうとしていた歌衣の手に、が……！
咲乃が張り巡らせた罠。赤切りによって、このが出てしまう……！

「やった～！　優勝だ～！」

これが、アキレスの優勝を決定するアガリとなり。