減点法の男、鈴木優に
私の絶賛なんぞは届かない
Piratesの剣ヶ峰で
見せた後悔とは
文・ZERO / 沖中祐也【火曜担当ライター】2023年4月18日
「水回りをキレイにすると運気が上がると言われている」
きっかけは、とある記事に書かれている瑞原の言葉だった。
Piratesとって剣ヶ峰となる今週の8連戦。
月曜日、その初戦を任された優は
「今日ほど大切で結果が欲しい試合はない」
と抑えきれない気持ちを吐露する。
麻雀においては、与えられた材料で最善を尽くすことしかできないが、他になにかできないかと、藁にもすがる思いで台所・トイレ・風呂場を掃除した。
水回り清浄効果はテキメンで、配牌に恵まれトップを奪取。
その勢いをかってか、チームから連日の登板を任され、優は再びラオウステージのような漆黒の舞台へ赴くのだった。
第1試合
試合は、優と同じく前回トップをとった渋川が2900の出アガリの後、2600は2700オールをツモって先制する。
迎えた2本場。
(これが水回り効果か)
と驚く最高の入り目であるを引き入れた待ちリーチは、なんと山に7枚生き。
これを軽々とツモって2000/4000は2200/4200。
続く親番では
優はここからを切った。
現状、打点は最低で2900しかないが、こう構えることでをツモってのトイトイ(MAX18000)やドラをツモっての7700まで狙える。
すぐにをツモって一旦のテンパイを取るが、ここからが圧巻だった。
まずはドラのをノータイムでツモ切り。
を切ってカンに受けると7700になる上に、さらにをツモることでトイトイが付加されて18000になる。
選択としては難しいところだが、何が凄いかというとあらかじめ決めていたこと。
「両脇は受けてくれましたが、→と通っていないところを押してきた松ヶ瀬さんに対してめくり合いで勝てるように両面に受けました」
はツモ切り、は大明槓せず、に手応えがあったのでをツモった場合はトイトイに受ける予定だったという。
テンパイしても思考を止めず、あらゆる変化に対応できるようあらかじめ考えておく。
やれることはやる、とは水回りの掃除だけではなく、こういうことなのだ。
手応えのあったをツモり打。タンキコロコロの旅へ出港する。
そして私が衝撃を受けたのが次巡…
をツモり、これまたノータイムで打。
優はタンキ待ちになった時点で、あらゆるタンキ変化を考えていた。
「あたりは受け変えようと決めていました」
こともなげに語るが、大事な場面だからこそ慎重に考えたくなってしまうのが私のような凡人だ。