【 #神域リーグ2024 ファイナル第3試合観戦記】1つのチーに、3年間の重みを乗せて―― ミスターアトラス #歌衣メイカ 魂のトップ取り【文 #後藤哲冶 】

1つのチーに、3年間の重みを乗せて―― ミスターアトラス歌衣メイカ 魂のトップ取り

ファイナル2戦目までを終えて、チームアトラスは窮地に追い込まれた。

神域初トップを目指し懸命に戦った風見くくだったが、健闘届かず3着。
続く朝陽にいなもさながらビーストのようなリーチ攻勢を仕掛けながらも、親友咲乃もこがその更に上を行ってしまい、3着。

現状4位のアトラスは、優勝確率が1桁%まで落ち込んでしまったと言って良い。

そんな中、登板するのは歌衣メイカ。
しかし、彼の頭の中はシンプルだった。

「気は楽だよな。 俺らチーム順位4位だからさ、1位とるしかないんよ」

どこのチームが4位が良いとか、2位が良いとか、細かいことはもちろんあるかもしれないけれど。
とにかく、1位をとらなきゃ始まらない。
それが分かっているからこそ、思考はクリアになっている。

歌衣の配信画面に表示された言葉、『リベンジを果たす』。
昨年、1.6ptの差届かなかった時の感情は、今も歌衣の胸の内にある。

「待ちわびたぜ……この時を」

どんなに痺れる状況でもこの漢は、最高にイカしたセリフが似合う。

ファイナル 第3試合

東家 歌衣メイカ (チームアトラス)
南家 桜凛月   (チームゼウス)
西家 緑仙    (チームヘラクレス)
北家 ゴモリー  (チームアキレス)

東2局1本場

歌衣がドラ赤のイーシャンテンで迎えた6巡目、緑仙からのリーチが入る。
通っている牌は【5マン】【3ソウ】【6ピン】とあるが、いずれも切ったら手の形が崩れる牌だ。

【2ソウ】をプッシュ。当然押していく。このくらい整った手が、次いつ来てくれるかもわからない。
トップをとるつもりなら、当然プッシュだ。

続けざまに【5ソウ】もプッシュした後、持ってきたのは【7ピン】
これでテンパイ。【9マン】を切ればタンヤオピンフのリーチだが、【9マン】はドラ。
それでも。

「行くなら、こうでしょうよ!」

当然強気に【9マン】切りリーチ。
この辺りの攻めで歌衣が間違えることはない。押すなら大胆に、自分のアガリを最大に。

監督陣が見守る、雀魂チャンネルにて、アトラス監督村上が

「メイカちゃん残り1枚になったらツモるから!」

と声を張り上げる。
冗談交じりの言葉ではあるが、そこには確かに、3年間積み重ねてきた信頼があった。

監督の言葉に応えるように、歌衣がラスト1枚になっていた【8マン】をツモアガリ!
2000、4000のパンチで、先制に成功。

歌衣と同じく、厳しい立場に立たされたヘラクレスの緑仙が、負けじと点棒を積み重ねる。
桜とゴモリーそれぞれから細かくアガリを重ね、歌衣の後ろにぴったりとつけた。

優勝に賭ける想いは、この少女も負けていない。
ゴモリーが1300、2600をツモって、一歩ずつ着実に優勝へと近づいている。
現状一番有利な立場のアキレスからすれば、この1アガリが非常に大きな意味を持つ。

東4局

ホンイツトイトイが見えていた歌衣の手に、【4ピン】がやってきてテンパイ。チートイツになってしまった。

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