1つのチーに、3年間の重みを乗せて―― ミスターアトラス歌衣メイカ 魂のトップ取り
ファイナル2戦目までを終えて、チームアトラスは窮地に追い込まれた。

神域初トップを目指し懸命に戦った風見くくだったが、健闘届かず3着。
続く朝陽にいなもさながらビーストのようなリーチ攻勢を仕掛けながらも、親友咲乃もこがその更に上を行ってしまい、3着。
現状4位のアトラスは、優勝確率が1桁%まで落ち込んでしまったと言って良い。
そんな中、登板するのは歌衣メイカ。
しかし、彼の頭の中はシンプルだった。

「気は楽だよな。 俺らチーム順位4位だからさ、1位とるしかないんよ」
どこのチームが4位が良いとか、2位が良いとか、細かいことはもちろんあるかもしれないけれど。
とにかく、1位をとらなきゃ始まらない。
それが分かっているからこそ、思考はクリアになっている。
歌衣の配信画面に表示された言葉、『リベンジを果たす』。
昨年、1.6ptの差届かなかった時の感情は、今も歌衣の胸の内にある。

「待ちわびたぜ……この時を」
どんなに痺れる状況でもこの漢は、最高にイカしたセリフが似合う。
ファイナル 第3試合

東家 歌衣メイカ (チームアトラス)
南家 桜凛月 (チームゼウス)
西家 緑仙 (チームヘラクレス)
北家 ゴモリー (チームアキレス)
東2局1本場

歌衣がドラ赤のイーシャンテンで迎えた6巡目、緑仙からのリーチが入る。
通っている牌はとあるが、いずれも切ったら手の形が崩れる牌だ。

をプッシュ。当然押していく。このくらい整った手が、次いつ来てくれるかもわからない。
トップをとるつもりなら、当然プッシュだ。

続けざまにもプッシュした後、持ってきたのは
。
これでテンパイ。を切ればタンヤオピンフのリーチだが、
はドラ。
それでも。

「行くなら、こうでしょうよ!」
当然強気に切りリーチ。
この辺りの攻めで歌衣が間違えることはない。押すなら大胆に、自分のアガリを最大に。

監督陣が見守る、雀魂チャンネルにて、アトラス監督村上が
「メイカちゃん残り1枚になったらツモるから!」
と声を張り上げる。
冗談交じりの言葉ではあるが、そこには確かに、3年間積み重ねてきた信頼があった。

監督の言葉に応えるように、歌衣がラスト1枚になっていたをツモアガリ!
2000、4000のパンチで、先制に成功。


歌衣と同じく、厳しい立場に立たされたヘラクレスの緑仙が、負けじと点棒を積み重ねる。
桜とゴモリーそれぞれから細かくアガリを重ね、歌衣の後ろにぴったりとつけた。

優勝に賭ける想いは、この少女も負けていない。
ゴモリーが1300、2600をツモって、一歩ずつ着実に優勝へと近づいている。
現状一番有利な立場のアキレスからすれば、この1アガリが非常に大きな意味を持つ。
東4局

ホンイツやトイトイが見えていた歌衣の手に、がやってきてテンパイ。チートイツになってしまった。
