小人の多井が作り出す「Mリーグ」という名の靴屋【熱論!Mリーグ】

熱論!Mリーグ【Fri】

小人の多井が作り出す

「Mリーグ」

という名の靴屋

文:グレート巨砲【金曜担当ライター】2018年10月19日

貧しい靴屋の工房(仕事場)に深夜、2人の小人が現れステキな靴を仕立てました。翌日、靴屋のおじいさんは誰が作ったかわからないままその靴を売ります。最初は一足だった靴はその後、二足、四足と増えていき靴屋は少しずつ豊かにになっていく--Mリーグを見てると「小人の靴屋」という童話を思い出す。

靴屋「Mリーグ」は童話と違って貧しいお店ではない。既存の靴屋と比べるとウルトラ豊かなお店だけど、短い準備期間で商売を始めたせいでしょう。仕入れた靴こそ最上級ですが、右の靴と右の靴を並べてみたり、最新式のレジを前に戸惑ったりと小さなミスを重ねます。募る、お客さんの不満。でも、お店の人は明日の営業のことで頭がいっぱいで、対応する余裕はまったくありません。いけないっ、このままではお客さんに逃げられちゃう!

そんな靴屋のピンチに立ちあがった小人が多井プロ。

開幕戦の解説では試合前にまず「ウチのチームはライングループを作りましたよ」とチーム戦であることをアピールします。その後もチームメイトとのやりとりや、現状を踏まえたチームの方針などを自身やチームのツイッターで破竹の勢いで公開。チーム戦はMリーグのひとつのウリではあるけど、麻雀は本質的に個人競技でしょとイマイチ、ピンときていなかったオデを含めた視聴者を啓蒙していきます。なるほど、アベマズはリードしてるから今日の3位は意味があるのかと。

 

そして童話で小人の作る靴の数がドンドン増えていったように好循環がスタート。気がつけば各チームのツイッターから想像以上のチーム愛と個性が溢れ出るようになりました。ドリブンズは解説がこの観戦記の数億倍本格的になり、

 

 

風林火山はやたらと差し入れをもらい、

 

 

近藤プロはそんなに野球が上手ではなかった。ヒッチしすぎ。

個性ばかりを紹介してしまったけど、全体としての発信することに対する使命感は開幕時より大幅にアップしました。なお、チーム愛についてはそれぞれで確認してください(丸投げ)。

話を戻そう。多井プロの献身はそれだけではない。東に解説に対して意図が違うとつぶやく対局者がいれば直ちに当人&ファンに謝罪し、より良い解説をすることを誓い、西に対局場はホントに隔絶された空間なのと疑問の声があがれば、会場全体の間取りをつぶさに説明といかなるときもファンファースト、視聴者ファーストの神対応。


全盛時の楠瀬誠志郎もびっくりの「ほっとけないよ~♪」な姿勢はおそらく団体(RMU)の長として、ファンの大切さと新規事業の難しさが骨身に染みてるからでしょう。巨砲選手は多井プロの著書「多井熱」のお手伝いを少しさせてもらったのですが、その時も「団体にかかわることはどんな小さなことも僕が謝りにいきますよ」と断言していたもの。百万石の責任感はMリーガーとなっても変わりません。かくしてハトヤ消防隊ならぬMリーグ消防隊が誕生しました。多井隊長は今日も小さな火種を見つけては、不手際を詫びつつ即座に消化にあたっているのです。消防隊に敬礼!

童話ではおじいさんとその妻はこっそり工房を覗いて靴を作っているのが2人の小人だと知ります。見ると小人の足元は裸足で服もボロボロでした。妻はお礼にと彼らのサイズに合わせた帽子と服と靴を制作。クリスマスイブの夜、工房の机に置いておきます。新しい服を見た小人はさっそく身にまとうと踊ったり、歌ったり、全身で喜びを表現すると工房から出ていってしまいました。その後、小人は二度と姿を見せることはなかったけど、靴屋のおじいさんはもともとマジメで腕もよかったので、その後も靴を作り続け、妻と幸せに暮らしましたとさ。めでたし、めでたし。

マジメで腕がいいのになぜ最初は貧乏だったのか? どうして最初の靴を見た時点で確認にいかなかったのか? 大人になって思い返すと割と釈然としない点もある童話ですが、そこは昴を歌う谷村新司のように目をつぶって。大切なのは小人はいつかはいなくなるのと、いなくなってもやっていける腕が靴屋にあったってこと。

では、今のMリーグは小人がいなくなってもやっていけるでしょうか。答えは無理、リームー! です。

だって朝倉プロの左から大きい数字を並べる理牌がちょっと前にミニ問題になったことがあったでしょ。

結局、本人がその意図と審判には事前にこのくらいの理牌なら問題ないと許可をもらっていると説明したんだけど、選手に何を言わせてんだって話。ルール上Okなら公式ツイッターでも翌日の放送でもなんでもいいので運営側がしっかり問題ないって言ってあげないとダメ。こういったことから大人が信じられなくなって非行が始まるのです。朝倉プロ、今日の解説で時折、咳き込んでたけど、あれこっそりタバコを吸ってたらしいよ(大ウソ)。

おそらく運営サイドの現時点の最優先事項はおもしろい対局をトラブルなく見せること。それはそれでひとつのジャスティスではあるけど、レギュレーションに関してはおざなりな面がかなり多い。放送前にルール説明があるけど、個人が出場できる最多試合数は40だけど少ない方の規定は書いてないしさ。そういう細かなことが気になる人って結構いると思うんです。巨砲選手は基本的に流行りものにバーローということでご飯を食べてきたダメライターなので、他にも腑に落ちない点はいくつもあるけど、それを口にしちゃうと、多井プロの仕事をさらに増やすことになるので今日のところはやめておきます。あっ、昨日も勝利おめでとうございました。


果たして靴屋「Mリーグ」が多井プロに感謝の洋服をプレゼントするのはいつになるのでしょうか? それは運営側もプロになった証である。

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    1 個のコメント

  • 真剣な表情は楽しいし、力入れてやっているのが分かると感じているので、真剣さも含めてマージャン放送したいと思ってるなら理牌や審判制は実況で触れて欲しいと感じます〜。
    あと音声トラブルでの中断時は公平性含めて気にしてることを実況で説明して欲しいと昨日思いました〜。公平性じゃなくてただの雑音きにしーだったらさーせん。