熱論!Mリーグ【Tue】
“女流プロは嫌い!”
という人から
なぜ魚谷侑未は
好かれるのか⁉︎
文・梶谷悠介【火曜担当ライター】2018年12月11日
今日は魚谷プロでいこう。この日の決定は早かった。
観戦記の内容を決めるのは2パターンある。
一つは告知された対局者を見てあらかじめ誰を中心にするか決めておくパターン。もう一つは実際に対局を見て決めるパターンだ。私の場合後者が多いが、この日は珍しく魚谷プロ一択だった。
『私は女流プロが嫌いだ
いや、正確には嫌いだった。実力が伴っていないのにも関わらずプロを名乗り、女であることを利用して麻雀で仕事をしていることが許せなかったのだ。私のその稚拙で偏った考えを改めるきっかけとなったのが、昨夜登場した』
ZEROさんが以前、魚谷プロについて観戦記を書かれたときの一文だ。これを読んだとき非常に共感したことを覚えている。私も女流プロが嫌いだった。
私が以前働いていた麻雀店では女流のゲストが頻繁に来ていた。中には卓立てを急かしているにも関わらずぺちゃくちゃと連れてきたお客さんと喋り続け、ようやく打ち出したと思ったらルールをまるで把握していないなどとのたまう女流もいたり、書けばきりがないが、麻雀の内容も稚拙なら接客もそうかと憤りを感じていたものだ。
一応誤解のないように記しておくと、現在ではそのようなことは一切ない。どうしてそうなったかは本筋から脱線するので控えておくが、きっかけとなったのはやはり魚谷プロがゲストで来店されたときだったと思う。
すばらしいの一言だった。彼女は本当に接客で一切手を抜かない。深々とエレベーター前でお辞儀する画像を見たことがある方も多いと思うが、
そのときもまさにそんな感じで、自分のお客さんだけでなくお店の常連さんにまで同様にお見送りをしていた。それでいてドリンクオーダーや灰皿交換なども手伝ってもらえるとあって、逆にそこまでやってもらって申し訳ないと感じたほどだ。当然ルールなどは事前にリサーチ済み。
女流プロにこんな人がいたのか。
私の頭に魚谷プロの名前が刻まれた瞬間だった。
それから数年の後、私は最高位戦に所属し、こうして観戦記を書かせてもらえるとは不思議な縁である。
魚谷プロはこの日連闘を直訴したらしい。彼女は謙虚だが、控えめな性格ではない。接客も全力なら麻雀も全力だ。よし、今日は魚谷プロしかないだろ。応援すっか!
1回戦
起家 小林剛 (Pirates)
南家 高宮まり (麻雀格闘俱楽部)
西家 魚谷侑未 (フェニックス)
北家 松本吉弘 (ABEMAS)
東3局1本場
小林はをでチーしており、終盤でテンパイが入った。
親の魚谷、形テンを入れるがハイテイでドラのを掴んでしまう。ドラは打てないので切るならか…
悩んで末に打ち出された牌は
だった。
結果は放銃だったが、小林に対してはピンズでまだ通っていない筋が多く、テンパイ料と親の連荘があるなら悪くないと思ったが
なるほど。松本はドラ側のを切ったあとにと安牌候補を連続して切っている。捨て牌も濃くテンパイが入っているならが本線に見える。切るべきではなかったかもしれない。
魚谷は寝たが私の原稿書きはまだまだ続く。
南4局0本場
南3局の親番で必死にアガりにいった魚谷だったが、小林にかわされてしまい3着のままオーラスを迎えることとなった。