魚谷侑未・小林剛・園田賢・多井隆晴、チームのエース&ドラ1が背負う、それぞれの使命【熱論!Mリーグ】担当記者:渡邉浩史郎

熱論!Mリーグ【Tue】

魚谷侑未・小林剛・

園田賢・多井隆晴、

チームのエース&ドラ1が

背負う、それぞれの使命

文・渡邉浩史郎【火曜担当ライター】2020年3月3日

「ドラ1」

麻雀をやっているとつい「ドラが一枚」のことと思ってしまいがちだが、世間的にはドラフト1位の意味で使われるのが一般的だろうか。

予選も残りわずかとなった火曜日、2戦目は各チームともドラフト1位を出してきた。

1戦目を終えてのチームスコアがこちら。

やはり一番の注目は1戦目でついに6位に浮上したドリブンズと、躱されたパイレーツの最後の直接対決だ。ドリブンズは一時期予選勝ち抜けが絶望的なラインまでいったものの、昨年王者の意地を遺憾なく見せつけ巻き返してきた、勢いがあるのはこちらだろう。

だが、対するパイレーツだって当然このまま終わるわけにはいかない。そのために1戦目は負けているラス親で、唇をかみながら差し込みに回ったのだ。

ここはお互いになんとしてもトップラスを決めたいところ。

一方でセミファイナル進出がほぼ当確となった2位のABEMASにとっては、1位フェニックスとの直接対決になる。持ち越せるポイントが半分であるとはいえ、予選後の展開を考えれば当然沈めたい相手だ。しかしABEMAS多井を相手取る魚谷の充実ぶりには目を見張るものがある。先日の国士無双も記憶に新しく、まさに「国士にして双ぶ無き」にふさわしい個人1位のタイトル争いに名乗りを上げている。

さて冒頭の話に戻るが、ドラ1とは要は各チームが一番に欲した選手なのだ。また、野球とは違って昨年度より始まったMリーグにとっては、各チームのカラーそのものと言っても過言ではない。ポイントを巡る争いもクライマックスではあるが、中でもドラ1同士のぶつかり合いとなれば、その持つ意味は単なるポイント以上の重みとなってくるはずだ。

では、いよいよ目が離せなくなった3月3日第2試合を振り返っていくこととしよう。

2戦目

東家 小林剛U-NEXTパイレーツ

南家 多井隆晴渋谷ABEMAS

西家 園田賢赤坂ドリブンズ

北家 魚谷侑未セガサミーフェニックス

【東1局】

開幕動き出したのは園田。

ドラ無し赤無し。打点もなければ形も不安定で、Mリーグの中でも声をかける方が少数派だろうが、1枚目のから積極的に仕掛け出していく。

昨年度は見る者を魅了した”魔法”も今年度はなかなかいい結果に結びつかず、ランキングでも個人最下位に甘んじている。だが園田は自分を曲げない、ドリブンズが買ったのはこの鳴きができる園田賢なのだと。

次巡引いてきたをツモ切り。

もちろん安全度でいえばは残す一手だ。後で良形テンパイになった時に加カンできるメリットも存在する。

しかしここは自風のを残しておくことで、重なった時に自分の手にターツとして安牌を2枚確保できたり、ホンイツトイトイ満貫打点を作れるメリットを重く見た。当面の安全度で言っても、ライバルで親の小林の現物であるためそれなりに信頼できる。

その後、多井から出たもチー、打。カンというネックこそ残っているが、親の安牌を4枚確保して進行できている。一見すると不安にも見えるが、ポイント上ケアすべき相手への守備力はばっちりだ。

もっとも、仕掛けに対してドラを被せてきた魚谷への守備力は少ないのだが……

先にアガり切ることが、完璧な守備となる。

点数こそ300/500でしかないが、一番恐れるべき小林の親番を加点という形で早々に流すことができた。

【東2局】

ここでも先制を決めるのは園田か。

3巡目にしてこの形。第一打からイーシャンテン取らずを選択し、辿りついた良形残りのイーシャンテン。ここは打として、仕掛けよりも打点を重く見たリーチ・平和の手順を踏む。

しかし小林も黙ってはいない。

こちらは5巡目でタンヤオのくっつきテンパイ。とはいえ引き方によっては不安が残る形でもある。

次巡、園田が切ったこの

ポン。リーチの打点こそ失うが、超良形のテンパイを取ることができる。そのうえ1飜アップのおまけつきの牌となれば小林がスルーするはずもない。

これをあっさりツモって500/1000のアガリ。

ボーダー争いの2チームが、互いに決め手を作らせない、早い展開が二局続く。

【東3局】

ここでも仕掛け出したのは園田。

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