熱論!Mリーグ【Tue】
“最高の無駄ヅモ”とは⁉︎
ロボ小林の「コバシステム」
をインストールしよう!
文・ZERO【火曜担当ライター】2018年12月11日
中盤を過ぎたMリーグ、年内の試合があるのは12/21(金)までである。
2019年は1/7(月)から始まるので、その間の17日間は休みとなる。年末年始こそ、やることが少ないので「Mリーグレス」に悩まされるファンも多そうだ。
さて、残り試合数も少なくなってきて、各チームにもそれぞれの事情が見て取れるようになってきた。
特に今夜試合のある、フェニックス・ABEMAS・Pirates・格闘倶楽部は4~7位にひしめきあっており、チームによる人間ドラマが垣間見えるようだ。
フェニックス・魚谷は決意の連闘志願で試合に臨んできたし…
同じく松本も連闘志願。
下降線のABEMASをなんとかしたいという気持ちが伝わってくる。
格闘倶楽部の高宮も、3連勝の寿人が作った好調ムードを崩したくない気持ちが、かなり重圧になっているはずだ。
正直、チーム戦がこれほどまでに麻雀観戦にスパイスを与えるとは思ってもみなかった。選手自身も、打っていくうちにチーム愛がさらに高まり、それゆえに負けたくない気持ちもどんどん強くなっていっているだろう。
そういった「結束力」とか「負けたくない気持ち」などという俗物とは無縁の男が12月初めてMリーグの卓に着いた。
小林剛。
小林は先日行われた最強戦の控室で、Mリーグで戦うための気持ちを含む、多くの麻雀論を語ってくれた。そこで小林剛というロボを支える「コバシステム」を感じることができたのだ。
もちろん小林もチームに感謝しているし、負けたいわけではない。
「負けたくない」と思うこと自体が無意味…いやむしろシステムのエラーを引き起こしてしまう一番の要因になる…という話だ。個人として、目の前の選択に向き合うことが、結果的にチームにとって一番良い影響をもたらす…ということをわかっている。
東一局。親番スタートの小林による
打からゲームは始まった。
何度も言うが、小林の「1000点トーク」はブラフだと私は思っている。その証拠に本日までの小林の平均打点「7059点」は21人の平均よりかなり高い。それでいてアガリ率も22.92%(4位)と高く、いかに早さと高さのバランス感覚に優れているかがデータからも読み取れる。
すぐに松本から打たれたをチー。鳴いた方が早いのは間違いなく、打点も・ホンイツで妥協できる範囲内だし、イッツーや赤、チャンタや他の役牌などが複合してマンガンになるケースもそれなりにある。解説の萩原は驚いていたが、これをチーできないとどうしても安くて遅い進行になってしまう。
そしてこのツモで打とする。次にをポンした後でを切ることで、トイツなのかな?トイトイやチャンタなのかな?とホンイツをボカすことができる。
電光石火の7700となった。
おなじみの手筋と言ってしまえばそうなのだが、毎回ボカシているわけではない。7sを引っ張る危険と効果をその都度、天秤にかけて判断しているのだ。小林は特別読みが深いわけでもなく、特別鳴きが好きなわけでもない。また、攻めが得意なわけでも、守りが得意なわけでもない。
ただひたすらに選択のバランスがよいのだ。読みや場況をどれくらい選択に取り入れるか、点棒状況による押し引きや鳴き判断、それらの全てのバランスがいい。
東2局だった。
北家の小林は1打目に打として、さきほどと同様にホンイツを見たが、このをツモってきた場面では、オタ風のを切った。ホンイツにいくのは、もう1枚ピンズを引くか、役牌であるかが重なってからでいい。なんでもかんでも一直線ではないのだ。
これが好判断となった。
残したにがくっつく。
そして上家・松本のリーチを受けて…
このテンパイ。愚形安手では追っかけることはできない。また形を維持できる選択もできない。
ということで、小林は暗刻のを抜いた。そして次に持ってきたのが