借金は金で金を
買うこと？

税金の確定申告の時期ですが、特に商売をやっているみなさんは、頭の痛い時期だと思います。
今年の納税時期には、消費税の増税分が払えなくて、中小企業の倒産が激増すると言われてます。

「儲からなかったから税金は無し」
というのは、遠い過去の話で

「貰ってもいない消費税でも払う義務がある」
のが実情です。

納税義務者というらしいんですが、消費税を消費やサービスの価格に転嫁できなかった場合でも、したと見なされるんです。
私も数年前に無申告で税務調査を受けた時に、

「従業員から源泉徴収してないようですが、納税義務者のあなたが代わりに払ってください」

と言われました。

 

元もと私が悪いので、文句は言えませんが、貰ってない消費税が払えないのは、何もあなた
だけが悪いわけではありません。

●売上の５％の純利益を上げる会社は少ない。
と昔から言われてるのに、新しい消費税率８％を負担できないのは、無理のないことです。

受け取ったとされる消費税は払えなくてもすでに仕入れなどで、たっぷりと消費税は払ってます。
みなさんは納税にすでに貢献してますよ。

税務署は
●借金をしてでも払え。
と言いますが、そんなことをしたら自分の首を絞めるだけ。

 

税務署に根気よく相談して、分割払いにしてもらいましょう。
それが無理なら、商売をやめてしまったほうがいいかもしれません。

借金をしてから倒産するよりも傷が浅くてすみます。
そのほうが、復活のチャンスが早くやって来るんです。

 

借金にはして良いものと、良くないものがあります。

●私がいいと思うもの。
生活の維持。緊急時の支出。
車などの耐久消費財。教育費。
適切な投資など。

●良くないもの。
ギャンブル資金。ぜいたく品。
延滞金よりも高金利で借りて納税。壺。

人によって判断を違いますが、いずれも高金利では破たんします。
世の中は、お金に困っている会社や個人ほど、金利が高いのが、実情なんです。

借金は、お金をお金で買うことなので、自分に有利な取引をしてくれるところは、まずありません。

 

個人の信用が
最強の通貨になった

西原理恵子さんの「この世でいちばん大事な「カネ」の話」（角川文庫）が、ロングセラーを続けています。

西原さんの厳しい人生経験から発せられた、大事な話、役に立つ話がたくさん載っています。
いちばん大事なのはカネ、って言い切ってしまうのも凛々しいですよね。

「あのね、貧困と暴力って仲良しなんだよ。貧しさは、人からいろいろなものを奪う。人並みの暮らしとか、子どもにちゃんと教育を受けさせる権利とか」

 

その場合怒りの矛先が、子供や女性などの弱い部分に向かってしまう、と西原さんはいいます。

「自分がいちばん！そう思っているうちは、まだまだ」

「どうしたらそれで（好きなことで）稼げるか？って考えてごらん。そうすると必ず、次の一手が見えてくるものなんだよ」

だから自分で営業してでも稼げと。

「ギャンブルのために借金なんかしたら、行き先は絶対に地獄だと思っていい。貧乏とギャンブルと借金は、そのくらい直接に結びつくものなのよ」

 

かつては西原さんのお父さんもハマり、本人もどっぷりとハマってましたからね。
大事なカネの話ですが、西原さんはお金さえあればいいとか、貰えばいいとは言ってません。

自分で工夫して稼ぐんだと。その工夫や努力の結果の尺度がお金だと。大事なのはお金そのものより、稼ぐ能力のほうだと。

 

稼ぐということは、ほとんどの場合、誰かの役に立つか、誰かが喜んでくれるかで決まります。

好きなことで稼げれば最高ですが、なかなか難しいです。

「自分がいちばん！そう思っているうちは、まだまだ」

自分に大得意なことがあっても、YouTubeなどネットで検索すると、自分より凄い人だらけですもんね。
でも大丈夫、私たちは世界や日本中を相手ではなくてもいいんです。

ソーシャルメディアを含む身近な人たちに喜んでもらって、仕事にしている人が増えています。

「あの人のブログは面白い」
「あの人は信用できる」
「東京のあの人に、お金を送ってお使いを頼みたい」

などです。

コツコツとリアルとネットで信用を蓄積していけば
●その信用は通貨かそれ以上の価値がある

と主張する人もいます。

 

（文：山崎一夫／ｲﾗｽﾄ：西原理恵子■初出「近代麻雀」2015年4月1日号）

●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/

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