登頂はできる限り安全に 竹内元太の登山式麻雀【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 11/14 第1試合(麻雀LIVEチャンネル)】担当記者 東川亮

登頂はできる限り安全に 

竹内元太の登山式麻雀

文・東川亮【バックアップライター】2025年11月14日

セガサミーフェニックス竹内元太の趣味は登山。

それが高じて、チームには登山部が発足したとか。

登山は頂上を目指すのが一つの目標になるが、それと同時に大事なのが、安全の確保。大和証券Mリーグ2025-26、11月14日の第1試合、元太のルート選びには万善の対策がなされていた。

第1試合

東家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ) 
南家:瀬戸熊直樹(TEAM雷電)
西家:下石戟(BEAST X)
北家:竹内元太(セガサミーフェニックス)

東1局、元太が先制リーチをしっかりとツモって2000-4000のアガリを決める。リードを持った元太、ここからが彼の真骨頂だ。

東2局はこの手から手牌をスリムにする【8ソウ】切り、

さらには【4ピン】切りと、守備力を担保しつつアガリのルートはしっかり残して打っていく。

下石のリーチに対して、手が進んだので安全牌の【南】を使って一発を回避、

【赤5ソウ】をチーして【3マン】【6マン】テンパイ。【1ソウ】は通っていないが、【3ソウ】暗刻の壁を頼りにプッシュ。

瀬戸熊からアガって2000、加点しつつ局を流した。

元太は「捨て局」をハッキリ作るタイプの打ち手だ。東3局はこの手から【9ソウ】トイツ落としで字牌をため込む進行。この手でアガリを目指しても一番手にはなれないだろうし、下手に手を組んでリスクを負うのもバカバカしい、ということか。もちろん都合良く手が進んで相手に先んじられるなら別だろうが、この辺の見切りは非常に明確かつ判断が早い。

東3局1本場も序盤から【4ソウ】【6ピン】の切り出し。

【9マン】をチーしてチャンタでテンパイ、ペン【7ソウ】待ち。打点は1300と知れているが、今アガれればそれでよし、相手から攻撃が来たらさっさと撤収しようという構え。

渋川からアガって1300は1600、これでも十分だ。

 

そして、南入してからは傾向が顕著になる。南場の第1打を羅列してみよう。

南1局【8ピン】切り

南1局1本場【1ソウ】切り。

南2局【2マン】切り。

南3局【1ピン】切り。

いずれも孤立の字牌に手をかけずに数牌から切っている。ターツ候補を作るよりも字牌を持って守備力を担保しつつ、アガれるならアガりましょう、という打ち方。アガリマックスで考える打ち手にはストレスかもしれないが、できる限り事故を減らすという意味では理にかなっている。これをしっかりと遂行できるのが竹内元太という打ち手の良さだ。

 

ただ、守備をしているだけでは麻雀は勝てない。特にMリーグでは、1万点そこそこのリードがあっさりひっくり返されるシーンはそれこそ毎週のように見られる光景だ。

だからこそ、アガれるときはしっかりとアガりにいく。

南2局生牌の字牌を手に置きながら進めていくと、5巡目の【2ソウ】リャンメンチーから発進。ソーズの並びが良く巡目も早いので門前で仕上げたくなるような手ではあるが、それであれば既に字牌を処理しているだろう。元太としては、この局は打点よりもとにかくアガリ。それであれば、二度受けを解消して3面チャンが残る【2ソウ】は急所とすら言える牌であり、アガりたければ鳴くのが一番だ。

ただ、ソーズの形が変わったところに下石から切られた【5ソウ】はスルー。試合後には「あれはどうだったか・・・」と振り返っていたが、チーして【4ピン】【5ピン】テンパイは待ちとしては弱いし、相手の攻撃に対して無防備になりかねない。

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