文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2025年2月24日
白鳥翔は南3局の時点で追い込まれていた。
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6200点持ちのラス目。親番はとうの昔に無くなった。
1着順上げるだけだとしても、必要な点数は実に2万点近い。
もらった手牌は形こそ良いが、手役が無ければドラも無く、赤もない。
このままでは、着順を上げることはかなり厳しいだろう。
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ゆっくりと思考に沈む白鳥。
シーズンは佳境、レギュラー進出をかけたボーダー争いは、非常に重要な局面を迎えている。
渋谷ABEMASはこの白鳥翔の活躍でなんとか持ちこたえていると言って良い。
このまま、ラスで終わりたくない。
白鳥が、必死に着順上昇を見込める打牌を、糸口を、必死に探していた。
2月24日 第1試合
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東家 白鳥翔 (渋谷ABEMAS)
南家 二階堂亜樹(EX風林火山)
西家 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家 竹内元太 (セガサミーフェニックス)
まずはこうなったこの日の第1試合の展開を見て行こう。
東2局1本場
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白鳥がを重ねてチートイツのイーシャンテン。
1枚切れたを切っていく。
は赤
がある他、
を引いた時にもう一度メンツ手に戻るかの考慮ができる。
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先制テンパイは個人首位をひた走る元太だった。
を引き入れての
待ちピンフドラ1。当然リーチに打って出てくる。
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そこにを引いて追い付いたのが白鳥だった。
現状チートイツのみだが、チートイツは裏ドラが乗れば2枚という強みがある。
迷いなく、自信のあった単騎での勝負。実際、
は3枚全て山に残っていた。
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しかし元太の待ちもまた、山に潤沢に残っていた。
白鳥がを掴んでしまい、3900の放銃。
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裏ドラが乗らなかったのが救いか。まだ大きな損害には至っていない。
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東3局白鳥はここから、ドラのをリリース。
を切って打点に振る選択もあったが、まだラス目とはいえそこまで大きく離されているわけでもない。
大振りになって損失を被るよりも、確実にアガリを取りに行った。
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実際、その打ち方が功を奏し、リーチツモの500、1000のアガリをものにする。
欲を言えば裏ドラが1枚くらいは乗って欲しかったところか。
東4局に大きく局面が動く。
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元太がこの形から受け入れには寄与しないドラのを早々にリリースすると。
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これに食いついたのが亜樹だった。
片アガリの待ちではあるが、打点は十分。
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全員をおろした後に、値千金のツモアガリ。
これで亜樹がリードして南場を迎えることに。
南2局
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親番が落ちた直後の南2局。
白鳥に悪くない手が入っていた。
リーチタンヤオピンフのリャンメン2つのイーシャンテン。
打点的にも十分ということで、この巡目でドラのをリリース。