鈴木優が思い描く
勝利への航跡
緻密な思考の先にある未来は
文・徳岡明信【月曜担当ライター】2024年3月18日
泣いても笑っても残りはあと8日だ。
激戦を繰り広げる今シーズン、今月末にはセミファイナルに進出する上位6チームが決まる。
もちろん注目はセミファイナル進出ボーダーのカットライン
EX風林火山が1歩リードしているものの、僅差でBEASTJapanextがその背中を追う!
渋谷ABEMASもプラスポイントながらまだ油断できない。
もちろん、セガサミーフェニックス、TEAM雷電の怒涛の追い上げも無い話ではない。
ここからの1戦1戦が全て運命に直結する事は言うまでもない。
生命線を繋ぎとめるチームは果たして…
上位陣もセミファイナルを見越してプラスポイントを更に増やしたい所だ。
いろいろな思いの渦巻く終盤戦、今宵も激戦必至の闘牌をお楽しみあれ。
第1試合
東家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
南家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
西家:鈴木大介(BEASTJapanext)
北家:醍醐大(セガサミーフェニックス)
東場にスタートダッシュを切ったのは
昨日52歳の誕生日を迎えた渋谷ABEMASの多井だ。
7700のアガリで好スタートを切るが、
東2局2本場には優が軽快な仕掛けから1300/2600は1500/2800のアガリをものにする。
供託2本付きの大きな加点で多井にしがみつく。
次局の東3局は
醍醐がリーチ一発チートイツドラ2を大介から出アガり、
これで三者が31000点台で並ぶ三つ巴の様相を呈して南入する。
南2局
この局は優がまず仕掛けていく。
場風のが暗刻で、守備力の担保された仕掛けだ。
ただ、鳴いてしまうと打点は乏しい。
ポンでドラのは使い辛くなるし、
トイトイなどの手役もかなり遠い。
この手をストレートに進めてアガったとて、決定打とはならない。
しかしそれこそが勝利への航跡だと優は考えている。
三つ巴の点棒状況、
罪な展開は「誰かが満貫級のアガリで抜け出してしまうこと」
ならば低打点でもアガリを重ねてオーラスまで
誰かが抜け出す状況を避ける事が一番大事だと優は考えていた。
次巡にカンを引き入れてテンパイ。
見た目枚数と、が優自身から3枚見えで現時点では他の選手が使い辛そうなカンに待ち取りをする。
この辺りの正解を導き出すのはお手の物だ。
しっかりとを手繰り寄せて400/700のアガリ!
アガリこそ地味だが、
勝負の結果を追求するのに派手なアガリだけが全てでは無い。
小さいアガリが生む大きな結果を見越す優の繊細な思考が伺えた地味にして面白い1局であった。
南3局
この局も優の思考を紐解きながら見ていくとグッとこの半荘が面白くなる。