が暗刻になった優の手番。
ストレートに進めるなら切りが一番しっくりきそうな選択に見える。
役無しドラ無し、さらには愚形残りのこの手から孤立牌のドラのを切るのはもったいなく感じる。
しかし
優が選択したのドラの切り。
これは前局で説明した思考そのままだ。
この局も打点よりも「アガリ」自体の価値が高いと考えている。
もっともアガリに結びつきそうな今後の展開が
① のポン→打のマンズのカンチャンターツ払い
② ピンズのの部分を生かした多面張での待ち取り
と、優の頭の中でイメージされていた。
と、なるとこの手で今一番不要なのはドラのだ。
打点<アガリスピード
これが今局の優の手牌のテーマだ。
現状競っている多井、そして親の大介にもイーシャンテンが入っている。
果たして優は目論見通り、両者のアガリを阻止する事が出来るのか。
優の手は更なる難しい選択を迫られる。
持ってきたのは4枚目の
Q.カンする? しない?
A.カンしない!
これまた実況の日吉辰哉と解説の土田浩翔も思わず声を挙げた選択となった。
勿論、カンをするメリットは充分にある。
・打点上昇が見込め、抜け出した有利なオーラスを迎える可能性が上がる。
・ツモ番が1回増え、最速のアガリに近くなる可能性が上がる。
しかし、メリットがあればデメリットもあるのが世の理だ。
・新ドラで自分以外の人の打点が上がる可能性が高い
→優の手は暗刻が2つあり、新ドラが乗りづらい形でもある。
よって
相対的に自分よりも相手の誰かの手牌価値が高まる事の方が多いのだ
その結果、前局でも説明した
「誰かが満貫級のアガリで抜け出してしまう」恐れが出てくる。
この展開になる事を避ける意味合いも込めてカンせずという選択になった。
優のプランとは裏腹に多井に先を越されてしまう。
一番恐れていた多井からのリーチが飛んできたのだ。
同巡に優もテンパイが入る。
リーチのみ、待ちもカンと決して良い待ちでは無い。
いや、むしろ悪い。
しかしここは強気の追いかけリーチとした。
多井のアガリを潰すには自分がアガる事が一番の近道だ。
現物の切りでリーチの成立は確約されているし、
は多井には全く通っていないので、外していく事も出来ない。
ここで、戦闘民族の血が騒ぐ。
枚数では何とほぼ互角どころか、優の待ちの方が上回っていた。
しかし、勝ったのは多井だ。
大きすぎる裏1枚も味方して8000点のアガリ。
結果こそ放銃に回ってしまったが
優は常に
どうすれば勝てるのか、そのプランを緻密に構築している。
南2局、そして今局と、優のプランを把握した上で視聴してみると
より対局を楽しめるのではないか。