その29 トップ条件の時の打ち方
普通の麻雀では、絶対にここはトップを取りたい!!となることはあまり無いでしょう。
しかし、競技麻雀ではそんな状況は何度も訪れます。
そんな時の心構えや、どんな打ち方をするかは知っておいて損はありません。
それでは早速例題に参りましょう。「セレブ打法」と名高い黒沢咲選手。
東1局親番、上家から先制リーチを受けて何を切る?
解答
↓
↓
打
解説
リーチを受けていて、現在親とはいえリャンシャンテンです。しかも浮いている...は全て無筋です。
普通に考えれば、ここはもう諦めてを切ってオリるでしょう。仮に粘るとしても安全度の高いを切るのではないでしょうか。
しかし、ここで黒沢選手はを押しました。何故その選択になったのか、まず押す理由から理由を考えてみましょう。
①トップ条件で、親を一度流してしまうことがかなり不利になる
②早いリーチで、まだまだ何が当たるか絞れない
③結局ツモられても、親被りで厳しくなってしまう
この辺りでしょう。
しかし1番の理由は「こんなとこでオリるような弱い気持ちでは、勝てない!」
と、黒沢選手が考えていることです。
麻雀は、もちろん数字のゲームです。しかし、一戦勝負においては数字だけじゃ計れない部分がある、というのもまた事実です。
①〜③の理屈と、持ち前の強い気持ちで、ここは押す!!となりました。
なぜ?
それでは押すにしてもなぜになったのでしょうか?こちらも検証していきたいと思います。
1 この手のMAXはピンズのホンイツなので、はまだ切りたくない。
2 メンツ手を見るなら一番いらないのはだが、この手はチートイツもある
3 は自分で切ってるので一番重なり辛い。
4 ここは高打点のチートイツとホンイツを強く見て、勝負!
という思考だったのでしょう。
そしてこの時、園田選手のリーチはこのような手でした。
リーチ時点で山に9枚残りの。しかも、打点も充分です。
ここに向かってを押した黒沢選手。結果がどうなったかと言いますと……
なんと、わずかな糸を手繰り寄せた奇跡のようなツモチートイツの和了となりました。
オリていれば、ハネマンの親被りをしていていてもおかしくありません。まさに値千金の和了と言えるでしょう。
このまま黒沢選手はこの半荘見事トップを取り、チームのセミファイナル進出に大きく貢献しました。
このように、トップ条件の時は多少の無理でも押し通すことが大事です。
それでは、また!
渋川通信
Mリーグレギュラーシーズン終了しましたね!セミファイナルまでの期間がしばらく空きますが、またよろしくお願いします!