熱論!Mリーグ【Tue】
12000点×5回!
微笑みをたたえ、
周りに絶望を叩きつけた
黒沢咲のセレブナイト
文・ZERO【火曜担当ライター】2020年1月14日
先日、最高位戦ペアマッチなる大会に参加した。麻雀大会というよりかは、新春の顔合わせがメインのお祭り的なイベントだ。
参加者は200人以上を数える。業界関係者が多く参加し、Mリーガーもたくさんいた。その中で私は石橋伸洋プロと茅森早香プロと同卓した。私は自分でミーハーとは思っていなかったが、とても胸が高鳴っていることに気付いた。この数年モニター越しに何十半荘と見ているMリーガーが、同じ表情、同じ所作で、目の前に座って麻雀を打っているのだ。
石橋プロは他の参加者に話しかけたりして空気を和らげていたし、茅森プロは雰囲気がかわいらしかった。
Mリーガーを始めとする麻雀プロたちは、全国各地でゲスト活動を行っている。他の業界のプロよりも、より身近に感じることができるのが麻雀のよいところだと思う。プロから高い手をアガったり、トップを取ったりできるのも、いい思い出になるだろう。シーズン中にあちこち飛び回るMリーガーを見て「もっと麻雀に集中させるべきでは」という考えを持っていた私だが、黎明期だからこそ、こういったファンとの交流も大切なんだな、と思い直した体験だった。
一言で言うと、めちゃくちゃ楽しかったというわけだ。
さて、本題に入ろう。
先週取り上げたドリブンズは野球で言うと「自力優勝の目が消えた」くらいの厳しさを感じる。このビハインドを返すには、神風的な強運と展開の良さが必要だ。しかし、こういう絶望的な時に応援してこそ、真のファンと言える。選手側としても、良い時だけではなく、苦しい時に声を掛けてくれる方が身にしみるものだ。
他のチームとしては、「で、7位はどこになるのだろう?」と注目の矛先が変わりつつある。そういう意味では現状7位のパイレーツはここからが正念場と言えるだろう。
そんな苦しい思いを抱える2チームが登場した。
1回戦
西家 石橋伸洋(U-NEXTパイレーツ)
東1局1本場
丸山はオタ風のを残してを切った。ドリブンズお得意の役牌アタックだ。
とは言っても、これを見るのは久しぶりな気がする。役牌アタックは手が入ってるからこそできる戦術であり、防戦一方だったここ最近のドリブンズは役牌アタックすらさせてもらえなかったことがわかる。ようやくドリブンズのターンがきたか‥そう感じるファンの期待に応えるように
先制リーチが入る!
1人旅になるかと思いきや、岡田が押し返していく
丸山の親リーチに対し、→→→と押していることがわかる。
やの頃はあまりにリーチが早すぎて安全牌が無く、渋々といった押しかな‥と思っていたが、このを切る頃には安全牌は3枚あり、オリてもいい頃合いだ。
思えば、岡田紗佳の主張を初めて感じた気がする。
これまではあっちこっちフラフラし、何を狙っているのか、相手のリーチをどう考えているのかなどがわからず、とても不安定に見えた。
ところが今は意思を持って押している。丸山に対し、同じ若手新人として負けてられないと思ったのか、沢崎が作り出してくれたリードによって余裕が生まれたのか、見ていてとても気持ちの良い押しっぷりである。
この局は3段目に捕まったでオリて‥
丸山が2600オール。上々の滑り出しだ。
続いての東1局2本場。
今度は石橋の判断が光った。
絶好のカン引き入れて浮き牌選択。かかかというところ。
なんと石橋はドラのを切ったのだ。
ドラはもちろん打点のタネであるが、はピンフイーペーコー、だって三色のタネだ。
同じ打点のタネなら、くっついたときにアガりやすい方を残したということだろう。
次にをツモって打。三色を見切った。窮屈な三色よりもアガリやすいピンフ。赤が1枚内蔵されているならなおさらアガリやすさを優先したほうが良いだろう。
さらに重なったこのをツモ切りした。ここは難しいところだが、絶対愚形になるイーシャンテンよりも好形を重視。
をツモり、狙い通りピンフになった。こうなったときにの先切りのおかげでが少し出やすいという効果もある。あとのないパイレーツの進路を正していくような舵取りだ。
岡田の手も興味深い。