熱論!Mリーグ【Tue】
その時間、わずか13秒…
緻密な読みで暗雲を吹き払う
朝倉康心のMリーグ航海術
文・渡邉浩史郎【火曜担当ライター】2020年1月14日
昨年最終戦で失速して以来、2020年に入ってからもパイレーツがいまいち波に乗り切れていない。
1月9日
小林剛 3着 -15.0
朝倉康心 2着 10.4
1月13日
瑞原明奈 2着 16.9
小林剛 4着 -58.5
チームも7位に甘んじている。現状予選敗退ラインにいるのもそうだが、1~7位はまだまだ点差も固まっており、きっかけさえ掴めれば上位にも食い込んでいけそうなのがいっそうもどかしい。早くじれったい展開を打破したいところ……だったのだが
肝心の1回戦では石橋伸洋が丸山奏子と黒沢咲に呑まれてしまった。船乗りを遭難させる様はもはやセレブよりセイレーンとでも呼ぶべきか、石橋は痛恨の箱下ラスでー71.6を計上してチーム成績もー173.7。パイレーツは個人成績でも全員がマイナスとなった。
ここでそのままズルズルといってしまうようだと、いよいよ戦線から置いていかれかねない。正念場でパイレーツが送り込んだのが……
朝倉康心だ。天鳳200万人の頂点に立つ男が、チームの窮地を背負って立った。
2回戦
北家 朝倉康心(U-NEXTパイレーツ)
【東1局】
その朝倉に開局から勝負手が入った。
赤が2枚にドラが1枚を内蔵したタンヤオ手。朝倉はここから……
ドラのを切った!
赤赤で打点も十分であり、ドラ表示牌のや、ドラそのものの引きのためにドラを残すよりは、現状の強い2シャンテンの形を優先した。
しかしこれを親の内川がポン!
現状Wの後付け。ドラを切った朝倉に自由をさせない仕掛けだ。ここはタンヤオへの移行を見ずに、朝倉の現物を残して打。
これにすかさず反応する朝倉。その切られたをポン!
ここは打とした。
マンズは自身のポンである程度分断しており、他家に使われにくい。ピンズは現状情報が少ないうえに、内川にも通っていないので先打ちといった形だろうか。
これを内川がチーしてテンパイ。でしかアガリは効かないが打点は12000で十分だ。
そこに4枚目のを引いてきた朝倉。ここで……
アサピンアイの選択は……
打!!!
手広い切り、安全に切り、強気にカンなど、見えている選択肢はいろいろあるが、なぜ朝倉は切りを選択したのだろうか?