Mリーグいくさ物語
海賊王・石橋伸洋伝
文・東川亮【月曜担当ライター】2021年2月22日
佳境を迎えた大和証券Mリーグ。
多くのチームがヒリヒリとしたセミファイナル進出争いを繰り広げており、ファンのみなさんにおかれましては夜しか眠れず、飯しか喉を通らない日々が続いていることでしょう。
もちろん、戦っている選手のみなさんの緊張感は相当なもの。
しかし不思議なことに、普通の人間なら押しつぶされそうな重圧の中でこそ、力を発揮する頼もしい選手がいるものです。
昨年のMリーグをご覧になられた方は、彼のことを忘れてはいないはず。
そう、レギュラーシーズンの不振が嘘のように鮮やかな勝利を積み重ね、いつしか「王」と呼ばれるようになった男、石橋伸洋。
今回は王の武勇伝について、一席お付き合いをいただければと思います。
2月22日 第1回戦
西家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:石橋伸洋(U-NEXT Pirates)
東1局に瀬戸熊のリーチをかわしてアガった石橋。
東2局はのトイツを切り飛ばし、
絶好の待ちでリーチと出た。
これに対して親番たろうは粘りたい。
何とかテンパイへこぎ着けるため、
打ち出したに石橋が「ロン」!
リーチタンヤオ平和赤、8000点のアガリだ!
2局連続のアガリはどちらも好感触。
海賊王が2連勝へ視界良好でございます。
しかししかし、このまま石橋に好き勝手ばかりはさせられない。
立ちはだかるは雷電の暴君・瀬戸熊とサクラナイツの姫君・岡田。
東3局はこの二人がぶつかります。
まずは瀬戸熊、
ドラを切り飛ばして待ちリーチ!
警戒される待ちではあるが、ツモってしまえば関係なし。
岡田も負けてはいられない。
ドラをポンしてイーシャンテン、
そこからカン待ちテンパイだ。
打点があれば、前に出ようという気にもなるもの。
終盤、岡田に選択の時。
をツモって考えた、ツモ切れば瀬戸熊のリーチにズドン。
さすがにこれは切りきれない。
岡田は瀬戸熊の現物を切っての単騎に構える。
しかし麻雀というのは奇妙なもの。
一見全然なさそうな、実はこの時点で残り全てが山の中!
一方瀬戸熊の待ちはもうなし。
親番の岡田がここでアガれば一気にトップ目浮上だ!