為す術なし!
対局者を消化不良にさせる
堀慎吾の場を支配する力
文・山﨑和也【月曜担当ライター】2021年2月22日
だんだん暖かい季節になってきた。先日筆者は仕事で金沢に遠征していたのだが、歩道に雪が残ってはいたものの、2月とは思えない暖かい気候だった。東京の鳩森八幡神社では河津桜が咲いている。冬来たりなば春遠からじですなあ。
Mリーグは各チーム残り20試合を切った。注目はやはりカットラインにいる7位、8位のチームだろう。本日の第1試合で最下位が入れ替わった。ここからは1ラスが命とりとなってもおかしくない。
第2試合の選手はこちら。
2月22日 第2試合
東家 小林剛(U-NEXTパイレーツ)
南家 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
第1試合でラスになった鈴木たろうの借りを返したい村上、トップを獲った石橋伸洋に続いてチームのカットラインから脱出を図りたい小林、前回の登板で痛恨のラスになり奮起する萩原。燃えに燃えまくっている3人に注目が集まりそうだ。
しかしこの試合、主役はその中の誰でもなかった。
東1局。
親の小林が上図のまとまりきっていない手格好からとりあえずカンをチー。の後付けなどを狙いにしているだろうか。その後、小林は筒子以外を次々に河に並べていく。
実際はバラバラだったのだが、周りはどこまで手が進んでいるかわからず当然警戒する。
例えば萩原はドラ2枚、赤1枚を持つチャンス手だったが筒子がネックになって真っ直ぐ手を進められず。
3者が慎重に対応した結果、この局は全員ノーテンで終わった。うーむ渋い。まだ東1局ながら全員が一打一打に時間をかけており、画面越しに緊張感が伝わってきた。
東2局1本場。
前局で全員の動きを止めた小林が、タンヤオドラ2赤の満貫をアガってリードを奪う。放銃となったのは萩原だった。打ち出された当たり牌のはリーチ宣言牌であり、ぶつかった結果痛い失点となってしまっている。
東3局。
親は萩原。
配牌はこちら。初手はを切っている。との比較になりそうだが、は789の三色の可能性があるので残しておくほうがよさそうだ。
村上の配牌はこちら。
続いて小林。初手は。
堀の配牌。少し村上がよさそうではあるものの、特段秀でた者はおらず、難しい手組みになりそうだった。
しばらく進んでみてだんだんと傾向がわかってきた。
全体的に両面が埋まらず、対子が増えてきているのだ。「縦ですね」と解説の土田浩翔プロが場況を読む。ふーむ、どうやらチートイツがキーになるらしい。
筆者はそういう場況を全然察せられないのだが、Mリーガーだと話は別のようだ。村上はを切ってチートイツに狙いを定めた。
対照的にチートイツを嫌っていたのは小林。、と続いて対子を嫌っている。土田プロは心なしか惜しそうな様子に。
あっとドラのが重なった。もしチートイツを狙っていたら6対子できていたかもしれない。結果論かもしれないが、痛い。
早めにチートイツに狙いを定めていたのは堀だった。イーシャンテンになり、ドラ表示牌のを切る。
これを小林が鳴いていく。打とし、速度的には堀対小林の構図となった。