18発目のシリンダー 半年に渡る想いを込めて 引き金を引け #松本吉弘【Mリーグ2024-25観戦記 2/17 第1試合】担当記者 #後藤哲冶

18発目のシリンダー
半年に渡る想いを込めて
引き金を引け松本吉弘

文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2025年2月17日

約半年。
Mリーグ2024ー25シーズンが始まって、それだけの時間が経った。
レギュラーシーズンは既に4分の3程度を消化している。

松本吉弘という選手の話をしたい。
常勝軍団渋谷ABEMASの一番槍。卓上のヒットマンこと松本吉弘は初年度からめざましい活躍をしてきた選手だ。
6年のシーズンでマイナスになった年は僅かに1回。
ベストバランスとも称される松本の麻雀は、プロでも最初にお手本にするべきと言われるほど。

その松本が、今季苦しんでいる。
ここまで17戦、トップ無し。
それだけではなく、4着は7回、トータルマイナスは400ptを超え、個人順位は35位にまで落ち込んだ。

チーム発足時からの相棒、白鳥翔の奮闘もあり、チームはレギュラー進出ボーダーの6位にまで浮上している。
が、まだ状況は予断を許さない。
下位に沈むチームが、このまま指を咥えて見ているだけのはずがない。

本日1戦目、任されたのは松本。

シリンダーは18回転目。
卓上のヒットマンに任されたミッションはただひとつ。
引き金を引き、トップへと至る弾丸を撃ちこめ。

2月17日 第1試合

東家 鈴木優 (U-NEXT Pirates
南家 園田賢 (赤坂ドリブンズ
西家 松本吉弘渋谷ABEMAS
北家 菅原千瑛(BEASTX)

東1局

松本にテンパイが入る。
【2マン】を暗刻にしてのカン【6ピン】テンパイ。
しかし親番優の仕掛けが気になる。
【8ピン】をポンしており、【4マン】【5マン】のターツを外しているのがハッキリと見えることから、ピンズのホンイツなのは見えている。

それでも、リーチといった。
タンヤオドラ1はリーチによる打点上昇の恩恵が大きい。
ただ、このリーチに行く際に、松本にしては珍しく少し考えるような間があった。
今シーズンの嫌な感触を、未だに振り払えてはいないか。

この東1局は流局。
アガリ牌の【6ピン】が優に固められていたことを考えれば、流局決着はそう悪くはないか。

東1局1本場も、先制リーチを放ったのは松本だった。
【3ピン】を重ねての、【中】とのシャンポン待ち。
園田が国士模様なのが少し気になる所だが、これをダマにしてしまうのは些か弱気だろう。

しかし、またしても真っすぐに手を進めてきた戦闘民族、優とぶつかる。
【赤5マン】を引き入れての【4マン】【7マン】待ちは絶好。

優からの追っかけリーチを受けた一発目。
2スジにかかる超危険牌の【6マン】を河に叩きつけて、松本が目を閉じた。
銃撃を交わし、戦闘民族は今まさに松本の喉を食い破らんとしている。
今シーズン、何度もこういった局面で放銃に回らされてきた。
恐怖が、無いはずがない。

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