命運分けたターツ選択
勝負師・鈴木大介が繋ぐ
連勝のバトン
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2024年9月30日
9月30日 第2試合
東家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
南家:伊達朱里紗((KONAMI麻雀格闘俱楽部)
西家:鈴木大介(BEASTX)
北家:萩原聖人(TEAM雷電)
Mリーグ2024レギュラーシーズン18戦目。
オーラスは伊達・大介のトップ争いと、たろう・萩原のラス抜け争いが激化していた。
トップ目でオーラスを迎えたのは伊達で、持ち点は48,100点。対して2着の大介は46,300点の1,800点差と、アガればほぼ逆転する位置に付けている。
そしてラス目はたろうで持ち点は1,400点。オーラス親番の萩原は4,200点とたろうより2,800点リードしているが、Mリーグではアガリ止めが無いため、半端な打点の手をアガると、たろうに逆転のチャンスをあげてしまうことになるので難しい。
ここまで伊達・大介がアガリを連発し、対してたろうは一度もアガれず、萩原は1,000点1回のアガリとかなり偏ったゲーム展開になっていた。
序盤は、伊達が猛威を振るった。
東1局では、たろうの親リーチとのめくり合いを制し3,900点を加点。
東2局1本場の親番は2,600オールを決める。
親番が落ちた後もアガりを連発し、
迎えた南2局の親番ではリーチ・ツモ・三色の4,000オールを炸裂させる。
ここまでの8局中、アガリが出たのが7局でその内6局が伊達のアガリとなっている(アガっていない1局は大介が伊達の親番を1,000点で流した)。
南2局までは、伊達が完全に試合を支配していたと言っていいだろう。
しかし、南3局。
ここまで耐え忍んでいた大介が爆発する。
南3局ではとのシャンポン待ちをツモり、リーチ・ツモ・赤2の4,000オールを決める。
南3局1本場では、タンヤオのくっつきテンパイの選択を見事成功させ、4,000オールを再び成就させる。
遥か彼方に思えていた伊達との点差を、わずか2局で32,400点詰める。昨シーズンは何度も目にした光景ではあるが、やはり大介の爆発力には目を見張るものがある。
そしてオーラスに至る。
大介は伊達まで1,800点差なので、2,000点の出アガリか400-700点以上のツモアガリでトップだ。
伊達は3着目のたろうがアガったり、大介が親番の萩原に放銃して条件が苦しくなったりと自身がアガらずともトップになる可能性はある。ただノーテン罰符でも逆転される点差なので、基本的にはアガリを目指すしかない。
たろうは2着までは役満をツモっても届かないため、3着が目標になる。3着の萩原まで2,800点差で、3,900点の出アガリか500-1,000点のツモが必要。
萩原は親番なのでアガリ続ければトップも見えるが、可能であればたろうの次局の条件が厳しくなるように7,700点以上のアガリを目指したい。
各々が思惑を巡らせる中、まず最初に動いたのはたろう。
1枚目のからポンしていく。
現状中のみしか役がないが、ドラや赤を引いたり、ソーズが増えてホンイツになることもあるためこのはスルーできない。
直後、伊達が切ったをポン。
全力で2,000点のテンパイを目指すなら、ここで打・となるが、仮にソーズのホンイツまで伸びた場合は出アガリもOKになって条件がグッと軽くなる。
ドラを引いたダイレクトテンパイを重視しつつ、ソーズの伸びを期待して打とする。
このを伊達がポン。
伊達はポンしてまだリャンシャンテンだが、打点関係なくアガればトップ確定なので、鳴きながら打点を作らなければいけないたろうと比べてストレートに手を進めることができる。
次巡、伊達はを引き入れカンとのイーシャンテンに。
2人の仕掛けに挟まれた大介。
を引いてイーシャンテンとなった。