成長を止めるな
中田花奈に課せられた使命
BEASTXを照らす
月明かりとなれ
文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2024年9月30日
多くの方が知っているように、中田花奈は昨年からMリーグにデビューした超有名アイドルである。
多くの話題を呼んだ中田花奈指名。
Mリーグにまた新しい風を呼び込んだといっても過言ではないだろう。
しかしそのデビューは、苦い記憶と共に刻まれることになる。
個人36人中、35位。-261.3pt。
チームも-378.7ptで、レギュラーシーズンで姿を消すことに。
迎えた今年の開幕戦。ファンからの人気投票によって出場が決まった中田だったが、結果は無念の4着。
昨年と同じ道を辿るわけにはいかない。
リベンジに燃える中田が、第1試合の卓へと向かった。
9月30日 第1試合
東家 瀬戸熊直樹 (TEAM雷電)
南家 中田花奈 (BEASTX)
西家 佐々木寿人 (KONAMI麻雀格闘俱楽部)
北家 浅見真紀 (赤坂ドリブンズ)
この日の中田の姿勢は、常に一貫していた。
東1局
浅見からのリーチを受けるも、その宣言牌であるをポン。通っていないを勝負。
自身の手にドラが3枚あることもあり、真っ向勝負を挑む。
続け様に、もポンできて、テンパイ。
通っていない牌を全く臆することなく切り飛ばして、8000点のテンパイへとたどり着いた。
残念ながらこの局は先制リーチした浅見が2000、4000のツモアガリとなるも。
続く東2局。
親番を迎えて、瀬戸熊から先制リーチを受け、切りリーチに対して当たり得るや、を勝負し。
カンを引き入れて追い付く。
ペンのリーチ三色ドラ1の勝負手。
当然追っかけリーチだ。
山に残り1枚だったこのを見事ツモアガって4000オール!
親番で大きな加点に成功する。
伝えておきたいことは、この2局連続の後手での押し返しの手順に、淀みがないことだ。
迷って、「怖いけど行く」というよりはハッキリと強く押し返していくことを決めているように見える。
続く1本場。
3巡目にテンパイが入ると、流れるような動作でカン切りリーチへ。待ち取りも決めていたように見える。
所謂モロヒッカケになるこのリーチは終盤になるにつれ警戒されるが、序盤であればがただの孤立牌のケースも多く、そこまで警戒度は高くならない。
これを浅見から捉えて3900のアガリ。
更なる加点に成功。
昨年はなかなか獲ることができなかった初トップ。
今シーズンは、2戦目にして獲得成るか――
しかしそう甘くはない。
所属団体の大先輩、魔王佐々木寿人がやってくる。
東2局3本場、個人2連勝している勢いそのままに、3000、6000のツモアガリで中田を猛追。
ほぼ並ばれた中田としては、もう1回以上はアガらないとトップを維持することは難しいだろう。