成長を止めるな #中田花奈 に課せられた使命 #BEASTX を照らす月明かりとなれ【Mリーグ2024-25観戦記 9/30】担当記者 #後藤哲冶

東3局

浅見が先制テンパイ。
カン【5マン】と待ちは悪いが、そこまで嬉しい手変わりが多いわけではない。
ここはシンプルにリーチへ。

中田が、【1ソウ】を切った。

通っていない、【1ソウ】
リーチを受けて一発目、持ってきた【6ソウ】を右端に置いてから、1秒と経っていない。

理屈はもちろん分かる。リーチに入って現状通っている牌が無く、それならば端の牌で2枚ある【1ソウ】且つ、攻撃面においても、【1ソウ】のトイツ落としをすれば手牌は全てタンヤオの牌になる。押し返す形になった時に、打点がつきやすい。
が、これらの思考と、打牌を、今までこの速度で決断できていただろうか。
少なくとも私は、昨年はこんな風に打牌する中田を見たことがなかったように思う。

中田の選択に、牌が応える。
絶好の赤【赤5ソウ】引きは、【5ピン】【8ピン】待ちが残る最高の入り目
当然リーチで追いかけた。

先制リーチの浅見の待ち【5マン】は山にはない。となれば当然。

中田のアガリ。裏をめくると、そこには……【3ピン】。中田の雀頭は、【4ピン】だ。
大きな大きな12000のアガリで、もう一度寿人を大きく突き放す。

東4局

中田が、2着目寿人のリーチに対して、スジの【1ピン】を押した。

これが通らず、寿人の2600のアガリ。
ここを唯一、中田は試合後のインタビューで悔いていた。
確かに、後手のチートイツは基本的にはアガリ率が低く、現状安全牌も多くある。
オリた方が良かったとは思うが、アグレッシブさはここまでプラスに働いていることもあって、気にしすぎるのも良くないかもしれない。

放銃はイコール悪ではない。この局も、2着目寿人への放銃とはなったが、2600の失点で1局消化できたともとれる。

南2局

トップ目で迎えた南場の親番、またしても好配牌が入る。
【2ソウ】【5ソウ】【8ソウ】【4ピン】【7ピン】ピンフドラ1、リャンメン2つの非常に良いイーシャンテンだ。

しかしこれが思いのほか時間がかかってしまい、テンパイしたのは15巡目。
巡目を考えれば、ダマにする選択もあるが。

しっかりと中田はこの手をリーチした。
【2ソウ】【5ソウ】【8ソウ】の待ちは良い。ピンフドラ1はリーチによる打点上昇の恩恵が大きい。
トップ目であっても……いくらだって加点はした方が良い。

この手を、最高形の4000オールに仕上げて。

見事、開幕戦のリベンジを果たすことになるのだった。

中田は嬉しい今期初トップ。

昨年も含めて今までで一番良い麻雀を打っているように見えたが、どうだろうか。
しっかりと攻めるという強い気持ちを持って、対局に臨んでいたように見える。

先日、SNSでとある投稿を見かけた。
そこには、BEASTXの楽屋で、試合後の菅原に対して、「打牌をこうした方が良かったのではないか」と言葉にする大介の姿だった。

光の裏には影がある。

Mリーグという舞台は輝かしく……そして残酷だ。
何人もの実力派選手が、涙ながらにこの舞台を去っている。

BEASTXもその例に漏れず、今年結果を出すことができなければ、誰かがこの舞台を去ることになる。
まさに背水の陣といえるだろう。
だからこそ、こうしてチーム内で忌憚のない意見を交換できる空気は、非常に大切だと思う。

そしてそんなBEASTにとって、今年、中田は重要な鍵を握っていると、私は思う。

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