(左から)
【小林剛】
「今シーズンはまた僕だけマイナスで3人に頼るという形で、結果は2位ということで非常に悔しいですけど、結果としては悪くなかったと思います。ただ、僕一人マイナスしているのと、最終週に『小林を出そう』とならなかった、たぶん誰が見ても大事な最後の2日間で小林は出さなくていいんじゃないか、客観的に見ればそう思われても仕方のない成績だったのと、特に後半のUK(鈴木優・仲林圭)の内容が素晴らしかったと思うので、瑞原さんも含めて3人の麻雀を見て刺激になったのと、悔しいのと、いろいろですね。
あとは醍醐さんと元太さんの麻雀が非常に面白くて、今までのMリーグになかった新しい道を見せてくれたと思ったので、後半は僕はもう出られずに視聴者として、みんなの麻雀で非常に楽しく見させてもらった、という感じです」
-かつては『小林が出なくてもいいように』というコメントもされていましたが、出番が回ってこない状況という意味では、プレーヤーとしてかなり刺激を受けるシーズンにもなったのではないでしょうか。
「『小林が出なくてもいいように』とは言っていたんですけど、それは小林が負けていたらしょうがないですよね。僕が勝っていても『小林じゃなくていいよ』となるようなチームが理想ですので、あとは僕が勝つだけかな、と思います」
【瑞原明奈】
「すごく強かったです。1週目の金曜日までずっとトップがなくて、金曜日の2戦目に仲林さんがトップを取ってくれたところが、一つ目のつながった一戦だったと思います。あの一戦も簡単な試合ではなくて、あそこでトップを取ってくれたから、2週目もまだ優勝を目指して戦えたと思いますし、最後の2日間は鈴木優選手が本当に奇跡的なトップを、しかも2日連続で取ってくれて、厳しかった連覇が目の前まで見えていました。そのおかげで最終日の2戦目までパイレーツクルーのみんなも楽しい気持ちで見られたと思うので、とても感謝しています」
-今シーズンの振り返りとしてはいかがでしょうか。
「数字で言うとプラスできましたし、決して悪くはなかったんですけど、勝ちきれなかった感触が大きいです。結果プラスだったからいいとか、マイナスだったからいけないというわけではなくて、与えられた手材料で勝てるだけ勝たなければいけないと思っているんですけど、今は何とは言えないのですが、課題だとか足りない部分を自分ですごく痛感したシーズンだったと思います」
【鈴木優】
「最後にたまたま2日続けて大きな仕事ができたという実感はあるんですけど、それ以前の試合で、僕じゃない選手が座っていたらトップを取れたんじゃないか、失点を防げたんじゃないかという、後悔が残る選択もファイナルの中であったので、少しモヤモヤとする気持ちもありました。でも、なんとか最終日につながる活躍ができて、そのあたりはとてもうれしかったですし、ホッとしています」
-シーズン終盤で活躍することの意義についてはいかがでしょうか。
「出る試合は全て、開幕だろうが最終日だろうが真ん中だろうが関係なく、全部勝ちたいは勝ちたいです。でも、ポストシーズン・ファイナルは本当に試合間隔が短くて、出場間隔も短くなりがちなので、自分なりに体調管理や気持ちの持っていき方、心技体全部を整えていけたのが良かったかなと思っています」
【仲林圭】
「悔しいですね。優さんがつないでくれたパトンをつなぎきれなかったという悔しさでいっぱいです。レギュラー、セミファイナルはすごくいい調子だったんですけど、ファイナルの、最後の試合ですね。他は悔いはないですけど、最後の試合だけ、もっと何かできたんじゃないかな、という悔いが残ります」
-最後に決まってしまった瞬間は、もう少し、みたいなところがあったのでしょうか。
「で12000を放銃したところと、
で7700を放銃したところが、本当に悔しかったですね。特に
のリャンメンテンパイのときは、あとちょっとのところまで手がかかっていたので、あのめくり合いに負けたのが悔しかったです」
-来季に向けて一言お願いします。
「4人で切磋琢磨してもっと強いチームになって9月に戻ってきて、もう一度シャーレを獲って連覇を目指していきますので、応援よろしくお願いします」
【木下尚監督】
「最後に手がかかりかけていただけに本当に悔しいのですが、残り4戦を残してかなり連覇が厳しいところから、どうしても僕が諦められない中で、直近の試合成績と、200ポイント以上の差を追い詰めなければいけないということで、最終週の水曜日の時点で「UK・UK」で行くことを決めていました。その結果、ここまで接戦に持ち込んでくれたUKのことを称えたいですし、その時点で小林選手・瑞原選手については出番がなくなってしまうんですけれども受け入れてサポートに回ってくれて、UKも非常に心強かったんじゃないかなと思います。本当は、チーム戦であれば4人で戦って優勝するのが理想なんですが、今年はそうできないポイント差でこういう采配をした中で、2位を取ってくださった選手に感謝しています」
-準優勝という結果をどう評価しますか。
「本当によくやってくれたと思っています。レギュラーシーズン、セミファイナルと安定的に上のほうで戦ってくれています。ファイナルの最初だけがここ2シーズンで見ても一番厳しかったんじゃないかと思う展開に見舞われて優勝戦線から一時離れたんですが、そこにも最終的には帰ってきて、最終戦まで分からないというところまでやってくれました。本当によく頑張ってくれているなと思っています」
-Mリーグでは優勝チームが翌年のファイナルに進めないというジンクスがありましたが、今季のパイレーツがそれを打ち破ったことについては。
「このチームならそれは絶対に打ち破れるし、むしろ打ち破らないと自分たちが目指しているチームとしてはよくないと思っていたので、そこは本当に打ち破れて良かったなと思いますね。あと一歩連覇に届かなかったので、来シーズンはその連覇への挑戦権ということで、3度目の優勝とその次の連覇を目指して、どこのチームよりも先に連覇を成し遂げたいなと思っています」
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。