トップは取らせねぇよ!奇跡を手繰り寄せる滝沢和典の男前アシスト【熱論!Mリーグ/FS第17節】

熱論!Mリーグ【FS第17節】

トップは取らせねぇよ!

奇跡を手繰り寄せる

滝沢和典の男前アシスト

文・梶谷悠介【FS第17節担当ライター】2019年3月24日

 

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この数字が何を表すかお分かりだろうか。

ABEMASはこの日、9連勝を誓った。ファイナルステージ残り9試合全てトップを取る。首位ドリブンズとのポイント差は734.6pt。そうしなければひっくり返すことができないところまできている。いや、仮に9連勝できたとしても優勝できるかどうかはわからない。だが可能性がある限りそこに希望を繋ぐしかない。

トップを取る確率を1/4とすれば、9回連続の確率は上記のようになる。紙のように薄い確率に賭けたABEMAS。この日の初戦である第16試合は白鳥が気迫のトップをもぎ取った。そしてバトンを受け取った多井隆晴の第17試合が始まった。

東4局0本場

トップ目で親番を迎えた多井。ドラが対子のチャンス手でをポンしている。

前巡に切ったは下家の村上がでチーしている。捨て牌からみてもマンズのホンイツの可能性が高い。

だがここは鳴かれることを承知であえて打とした。ドリブンズは現状2着目だがポイント差を縮めるためにもどうにかラスに落としたい。マンズ以外で待って村上を狙い撃ちする作戦だ。

村上はこのでチー。を先に切らずにホンイツの目を残している。リードしているからといって安手で逃げようという発想はない。あくまでトップを目指さなければ残り7試合で追いつかれることも十分あり得ると知っているのだ。

これが狙い通りペン待ちとなった。運良くドラも暗刻になる。村上は止まりようがない。

村上もテンパイを入れるが、実は待ちは純カラになっていた。だがを掴むことなく巡目は進んでいく。

多井がハイテイで掴んだのは

マンズで残っている筋はくらいしかない。

字牌待ちもある、あるがハイテイで打ってしまえば最低満貫だ。親番を維持したいが、トップ目の多井は打つことができなかった。村上の一人テンパイで場は進んでいく。

南2局0本場

ラスを避けたい滝沢だったが、ここで手が入る。

一度はダマにしたが

次巡リーチといった。

狙い所であるが場に見えていないところを見ると山に残っている可能性が高い。それとダマにして多井が掴んでしまった場合、アガることは逆にドリブンズを喜ばせてしまう。リーチといってツモアガりに賭けた。高めをツモれば倍満でドリブンズを逆転できる。

困ったのは親番の前原だ。

チームのポイント状況的にこの最後の親番で頑張りたいが、無筋を2つ掴んでしまった。

一旦でまわった前原。しかしここから驚異の粘りを見せる。

すでに捨て牌3段目に来ているが、2シャンテンから中筋のをプッシュ。

滝沢の当たり牌を吸収し現物のを切って1シャンテン。

残りツモ1回というところでテンパイが入る。勝負のリーチ!

直後に滝沢が持ってきたのは

まさかの。これだから麻雀はわからない。

リーチをかいくぐって親マンのアガりをものにした。

南2局1本場

カンが入っている状況で村上のカンだがドラ4のリーチ。

をカンしていた前原。が危ないのは百も承知だが今回はまわる牌がなかった。

村上の跳満のアガりでトップ目に。ドリブンズにとっては風林火山がダンラスの最高の並びになった。

南4局0本場

オーラスを迎えて上記のような点差である。

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