ビギナーから玄人まで、
巧みな話術とぶっ飛んだ
発想でMリーグを盛り上げる
土田浩翔の迷解説
文・山﨑和也【月曜担当ライター】2020年12月7日
※注意※
今回はガラッと方向性が変わった観戦記となっています。本記事について不快に思われる方もいますことを先にお詫びいたします。どうか温かい目でご覧ください。
Mリーグはいろいろな楽しみ方があります。選手の打牌に注目する腕自慢の方も多いことでしょう。しかし初心者の方でも十分楽しめるように場を盛り上げてくれる方がいることをお忘れではないですか。今回は選手ではない、とある人物をピックアップします。
ご存知レジェンド、土田浩翔プロです。初年度からMリーグの解説者として選手達を見守っています。
今回は信頼と安定の実況である小林未沙さんとのコンビ。うまくブレーキ……ではなくフォローを入れてくれることでもうおなじみですね。
左が土田プロ。すごくキリッとしている方でしょう。
土田「どうも、サクラナイツの土田です」
さっそくやってのけてくれました。土田さん、ネクタイのカラーがサクラナイツのユニフォームのようにピンク。こんなお茶目な人だけど実績豊富のレジェンドなのです。時々、麻雀が強過ぎるあまり凡人には理解できないことを発することもあるのですよ。
第2試合を戦う選手はこちらの4人。萩原選手は第1試合に続いての登板です。ぜひともトップを狙いたいと話すのが普通の解説者でしょう。しかし土田さんは語ります。
第2試合
東家 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
土田「この連投がプラスに働きそうですけどね。(中略)プロは続けて打ったほうが感覚がね、あの~研ぎ澄まされていくんで、ポコッ、ポコッと出るよりはいいんじゃないかなって思っているんですよ。その1回1回にかかる比重が高まり過ぎるんでね。選択ミスも多くなるわけです」
そう、連投によって感覚が研ぎ澄まされていくのです。肩が温まるというのに近いですかね。
東1局。
たろう選手の手がよいですね。2巡目に何を切るかですが
打としました。を残したのは一気通貫を見たのでしょう。打点を意識するたろう選手らしい選択といえます。
を引き入れてテンパイ。打とすれば待ちですが、それでは平和のみの手でつまらないですね。ここは打としてリーチをかけました。
先制リーチが入りましたが、親番の堀選手は戦う姿勢でした。二盃口が見える手です。
土田「あっ沢崎みたいな手ですねこれ」
土田さんはすぐに反応しました。そう、1試合目南1局の沢崎選手の手格好に似ていたのです。
土田「サクラナイツに二盃口の風が……」
風を感じるのも土田流です。ちなみに沢崎選手はでアガったので二盃口にはなりませんでした。
堀選手は、と切っていき、を引き入れて打六。カンのテンパイに取れました。これは攻めた甲斐あり。この押しを見て土田さんは語ります。
土田「堀がね、ずーっと参戦してからね、戦いぶりを見ているとね、ひとつの特徴がありまして。危険牌を切るとき、かなり通るんですよ。彼が攻めるときは」
小林「はいはい。なぜでしょうか?」
土田「強いからでしょ」
小林「えーっ……そういう残し方をしているからですか?」
土田「いやいやいや、通せる力を持っているんです」
筆者は吹き出してしまいました。小林さんのナイスフォローかと思いきや、身も蓋もありませんね。するとその直後
小林「!通らない!通らないですよ土田さん!」
土田「あっ通らなかった」
堀選手は攻める手だっただけにやむなしの放銃でしょう。土田さんの解説もたまには外れることがあります。でもそれをお酒片手に楽しむのがよいのです。たろう選手がリーチ一気通貫ドラ1の満貫をアガり、リードを奪いました。
東2局。
親番の萩原選手は初トップのために加点しておきたいところです。しかし土田さんは悩ましそうな声を上げます。