土田「これねぇ難しい手ですね~安いし難しいしっていうね」
小林「まあ救いは他3者もまだまだ時間がかかりそうだというのがポイントでしょうか」
土田「そうですね。ただ、あまり親番でやることを意識し過ぎると失敗するんで、いつも向き合っている手に同じような感覚で見てあげたほうがいいですね、手牌を」
小林「萩原選手ももちろんトップが欲しい気持ちはあるけれども、『まあ1歩1歩ね』ということなんでしょうね」
土田「ええ、そうそうそうそう。だからこの試合2着で終われるのも非常にいいことなんですよ」
小林「第1試合ね、非常によかったですよね」
土田「この試合も2着で終われればいいんじゃないですか。登っていく階段としては」
小林「……くらいの気持ちで、やってればいつかトップが!」
小林さんの随所に見られるフォローが素晴らしいですね。楽しい会話を聞いているうちに、いつの間にか選手に手が入っていたりします。
小林「萩原の手牌は仕上がりそうですが、打点があまり高くならなそうです」
土田「ただ、両面と三面形が埋まればとのシャンポンなんで、アガりやすいですよね」
なるほど字牌のシャンポン待ちはアガりやすいですね。そう考えると仮に三面張が埋まってもよく見えてきませんか。萩原の手は連荘がしやすい手といえるのです。
しかしそんな萩原に危機が訪れます。
じわじわと亜樹選手が迫ってきていたのです。を暗刻にしてイーシャンテン。
4枚目のを引き、さらにドラの3を引いて索子で広く待つことに成功しました。萩原選手よりお先にの三面張です。
このリーチを受けたあとの堀選手、上図からノータイムで無筋のを切りました。
土田「よくからいかなかったなあ。からいったんですね」
小林「この手はもう追いつけば自分のほうがアガれるだろうということですか」
土田「まあがのワンチャンスということなんでしょうけどね」
小林「あと自身がビハインドしているというのもありますかね」
土田「やっぱり感触よかったんでしょうね。イーシャンテンになった感触がね」
小林「あっ掴んだ」
土田「あ~先かな~」
土田さんの声が聞こえたのでしょうか、すっとを切ります。
土田「もう1枚引き込めば(南を落として)タンヤオ平和になるんでね」
堀選手はうまく回ろうとしています。しかし
亜樹選手がをツモって2000―4000のアガりとなりました。
土田「親は誰ですか?」
小林「萩原です」
土田「はいっ決まりましたねまた」
小林「んーっ4000点を支払ったのは雷電萩原」
土田「3局連続ですよ、萩原親で……」
実は萩原選手、第1試合でも親被りを2回喫していたのです。これは非常に珍しい現象です。
小林「親3回目なんですけど3分の3!ひゃーっ。そういうのはどうやって防げば……防ぎようがないですか」
土田「ええ、防ぎようがないです。それが与えられた……萩原に与えられた宿命ですね」
時に冷酷なのも土田さんの魅力です。
土田「でも超えられない壁は作らないんで神様は。超えられる人にしかそういう壁を与えないんで」
小林「……さっ、親番たろうはが暗刻」
ちょっと突き放したあとに救いの手を差し伸べるのもさすが土田さんですね。小林さん、すぐ次局の場に戻って実況できるのもいい仕事ぶりです。
東場は亜樹選手のリードで終えました。南2局2本場。
西家の亜樹選手がをポン。巡目が早いようですが実は2鳴き。亜樹選手はあまり鳴かない打ち手として知られています。
土田「亜樹が仕掛けるってことはそんなにバラバラじゃないでしょうから」
小林「亜樹選手の副露率は30人中28位。14%」
土田「それでも140(ポイント)勝っていますからね。副露率が低いと勝てないというゲームじゃないですね」
こういった情報もすぐに届けてくれます。亜樹選手が鳴いたということは手が整っているのではないかと、周りも感じているわけですね。
先にテンパイしたのはたろう選手。含みのカンを鳴いてタンヤオドラ赤の手にまとまっています。待ちは。
亜樹選手はイーシャンテンのままで追い抜かれてしまいました。いま出たを