熱論!Mリーグ【FS第16節】
奇跡の逆転優勝へ…
一度も失敗が許されない
白鳥翔、極限の押し引き
文・危険な鬼太郎【FS第16節担当ライター】2019年3月24日
ドリブンズが一歩抜けて迎えた16戦目。これからの回戦はトップはもちろんのこと、できることならば、全ての戦いを首位のドリブンズをラスにしたいところだ。
『一回戦』
白鳥が開局早々にタンピン三色を勝又から打ち取る!
第一打で待ちなのがなんとも白鳥らしい。
東2局一本場
親の高宮の第一打がドラの!
辺りを切ってもよさそうだが、を引いてのピンフ即リーチの手順も逃したくはない。後になればなるほど、ドラを切るのが怖くなるので先切りだ。
このドラに声をかけたのが北家の勝又!
手牌もバラバラで、ドラをポンしたら上家の白鳥のアシストも期待できないが、東一局のビハインドもある以上、無理を通した仕掛けに見えた。
この仕掛けで皆を降ろし、悠々とマンガンをアガった!
東3局一本場
勝又の選択が難しい。
広さで言えばドラのだが、それだと僅か7巡目にしてこの手牌の魅力が無くなってしまう。打点という魅力がなければ粘りのある麻雀は打てない。
けれども、を打ってマンズの上を見切るにしても情報がない。勝又の選択は…。
ここは打。裏目がだけしかない打牌だ。にくっ付けば良し、ドラのを引いても即リーチや対子落としなどといった柔軟な選択も取りやすくなる。
勝又はを引いて打。大事にしてきたをあっさり離す。ツモで、ツモで高め一盃口。どう考えてものほうがキー牌だ。
そして勝又聴牌!
ずばりを引いて待ちの高め一盃口のドラ切りリーチ!数多ある手牌変化の中で理想的な変化だったのではないだろうか。
これに対抗したのがイッツー聴牌の白鳥
ピンズは何も情報がなく、待ちに受けたとしてもが自分から3枚見え、勝又の現物のも2枚見えと待ちが弱い。
はいくらか通りやすそうだが、単騎では勝ち目が薄い…。さりとて単騎に受けて、ピンズがリャンメンになった時の8mも切りにくい。白鳥の選択は?
ここは筋のを切りベタ降り。自分が安い手なのに危険牌を打ち、さらに勝ち目が薄い待ち。白鳥は安易に勝又のロン牌のを打たない。
しかし、ここは勝又のツモアガリ!
1300-2600だ。一応トップ目には立ったが、まだまだどうなるか分からない…。
東4局一本場
親の白鳥がを鳴いて聴牌。
ホンイツドラ1の5800の待ちだ。巡目は深いが、待ちはそこそこ強い。
そこで高宮が超ド級のリーチ!
牌の枚数が薄いが、現状ラスの高宮からすればこれをリーチして倍満をアガるぐらいの気概がなければ勝てない。
これにすごく困ったのが白鳥。
高宮の捨て牌にピンズの下の情報は何もない。降りるにしても現物が何もなく、も初牌だ。
なら、ワンチャンスのか?
この巡目のワンチャンスは気休めにもならない、しかも打の待ちは待ちに比べて待ちが弱すぎる。それぐらいならを打ったほうがまだましだ。
堂々巡りしてしまうが、勝つために白鳥が導き出した牌は…?
気合を込めて打!通った瞬間ホっとしたような表情を見せた。これが通れば相当有利なのは視聴者だけではなく、白鳥自身がよくわかっている。