
アガれば通過条件の大介が、と
を立て続けにポン。
それは、一瞬の出来事だった。

この半荘の前半、解説の勝又健志は大介の野獣のイメージについて「刀でスパっと斬るような」一閃のイメージで評していた。日吉は逆に、大介に斧使いのような武骨な野獣像を重ねていたのが興味深かった。
一閃。
捨て牌1段目も終わっていないこのスピード勝負を制したのは大介だった。まさに「刀でスパっと斬」ったような、2役の500-1000で2着抜け。
これが大介の、この半荘、唯一のアガリだった。
「ツいていた」と大介は述懐した。ツモが伸びず、苦しかったと。
こうして、全員が苦しみ、重かったA卓の死闘は了った。
岡田紗佳は4回目の、鈴木大介は7年連続のファイナル進出を目指し、
美女と野獣が、決勝卓へ臨む。

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