
その後、渋川は勝又を一度はかわし、南1局3本場で3900は4800を勝又に打ち上げて再逆転を許すも南2局、南3局とアガリをものにして猛追。

迎えた南4局は勝又が早々にをポンして逃げ切りを図るが、わずか4巡で、勝又の切った
を東城がロン。

上と差のある東城がこの巡目にもかかわらずダマでアガるということは、3着確保の手が濃厚。1000か2000か・・・。

「3900」
・・・3900だったら逆転だ!

渋川、思わぬ形でトップ奪取。
自分で決めきってやったぜと言わんばかりの顔をしているが、テロップで出ているのは東城のアガリである。
内心は本人いわく「超喜んでいた」。
そりゃそうか。

何はともあれ、渋川は自身のシーズン初戦をトップで飾った。
最後こそ幸運が味方したが、やはりチンイツをはじめとする積極的な選択の数々が勝利を手繰り寄せたと言ってもいいだろう。
ところで、渋川にとっては今シーズンの2卓開催によって、思わぬメリットが副産物としてあったという。緊張しいの渋川にとって何が一番緊張するのかと言えば、実は入場シーン。一人で静かな会場に入っていくのがどうにも苦手のようだが、2戦目は入場がなかったことで、緊張せずに試合に入れたのだそう。

「これからは2卓開催の2戦目が僕の指定席になるかもしれませんね」
そううそぶいた渋川は、決めポーズ時のカメラの位置を間違えていた。
次なる難関はこっちか?まあ、決めポーズをやるのは勝ったときだから別にいいか。

最後に、この日がMリーグ初実況となった襟川麻衣子プロについて。昨シーズンまではリポーターだったが、今シーズンからは実況に抜擢された。もちろん緊張や不慣れなところもあったとは思うが、試合に入れば聞きやすい語りが心地良かった。
お疲れ様でした、今後ともよろしくお願いします。

さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。