テンパイのタイミングを見極めた、見事な差し込みで終局となった。
トップ通過を果たした太は、東3局の8000点のアガリで主導権を握ると、その後は危なげない局進行でリードを守り切った。 無理をせず、必要な場面では確実に加点し、南場では冷静かつ柔軟なゲームメイクが光った。
滝沢もまた、常に好位置をキープし続けた試合巧者ぶりが際立った。 太の局進行に助けられた面もあったが、参加率をあげる仕掛けを増やした姿勢が、周囲に確かなプレッシャーを与えていた。 その積極性が、勝ち上がりを引き寄せた要因のひとつと言えるだろう。
橘は序盤から好配牌に恵まれ、構想も冴えていたが、ツモに恵まれずアガリに届かない場面が続いた。 チャンス手をものにできなかったことが、最後まで響いた印象だ。
田村は東3局でのダマテンの守備判断が見事だったが、最終手番で押し出される形での放銃が痛かった。 南場では選択の難しさに苦しみ、特に南2局の
と
の選択は、結果を分ける分岐点となった。 あと一歩のところで勝ち上がりを逃したものの、随所に光る打ち回しが見られた一戦だった。
そして、いよいよ明日、最強位が決まる。この試合を勝ち上がった二人が、そのまま頂点に立つのか、注目の一戦となる。

麻将連合所属。キャッチフレーズは〝ミスター赤シャツ〟。
平日は情報通信関連の株式会社エネコムに勤務し、週末は麻雀活動に全力投球。広島で『いきいき健康麻将風鈴』で麻将連合『μ道場』の運営を担当。麻雀最強戦2025「政権抗争勃発」に出場し決勝卓に勝ち進むも、滝沢和典への国士無双放銃で散った。
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