元KADOKAWAサクラナイツの「マムシ」沢崎誠。
1月29日の対局で注目したのは、2人の連盟所属女性選手だった。
黒卓第1試合
■Mリーガーなら、あれは止めなくちゃいけない
第1試合は得点的にいろいろ動いたけど、最後は浅井さんがMリーグで復活してトップを取ったのはみんなが喜んでいるので、それはそれで良かったと思うね。頑張ってほしいしね、まだ若いし。
この試合では中田さんを見ました。中田さんをしっかり見るのは1年以上ぶりなのでどうかなと思っていたけど、成績が上がっているし、やっぱりいい麻雀でしたね。基本攻めるし、仕掛けても複数回仕掛けるときは高いし、打点があるのはいいことですよね。安く蹴りに行く麻雀じゃなくて、高い手を追っているのは魅力がある。精神が安定しているし、やっぱり人に教えてもらう麻雀じゃダメなんだよ。自分で発想して作っていく麻雀じゃないと、この人のタイプは違うんだろうなと思うわけ。持っているものが違うから、ハネ満くらいはスッとできちゃうんだよな。手役を作るとかではなくて、スーって寄ってくる。選ばれている人よね。
東3局にペン
待ちリーチでアガった、こういうリーチも良かったよね。ドラそばの愚形だけど、これは行かなきゃいけないくらいの手だし、リーチに行く姿勢もすごく良かったと思います。
そのあとの東3局1本場、5巡目に
を鳴いてチーテンを取るんですよ。僕はよく「ひとつ鳴いたらテンパイ」っていうんですけど、これが![]()
のシャンポンだったの。ドラはないタンヤオだけ、親の連荘ってことだよね。ひとつの鳴きでテンパイだからこれはあると思うけど、態勢がいいから、いいときには動かないという人もいるかな。
これは愚形を処理してのテンパイだからそれで十分かなと思うんだけど、ひとつだけ気になったことが、テンパイが早かったんだけど、アガれないまま2段目の終わりまで来て、
を持って来て止まったんだよね。この
が放銃だった。止まっているってことは、体は反応しているんだよ。危険と察知しているんだけど、自分が親で態勢がいいという意識が働いて前に出て放銃になった。
こういうのをこれからもっといっぱい経験するんだけど、分かってくると「これ、当たりなんだ」という感覚が芽生えてくるはずなのよ。それができるようになると、また一段階上のレベルになるよね。守りも強くなるってこと。待ちなんて読めるもんじゃないけど、自分がテンパイしてずっと間があってアガれなくて、点数も安くて、ちょっと違和感がある牌を持って来たときに、「これはいやだな」と感じたはずなので、そういうものを経験しながら自分のひとつの形に取り入れていかないと。この牌はMリーガーだったら止めなくちゃいけない。止められない人もいっぱいいるけど、それを止めていったら「さすがMリーガー」と言われるようになるよね。これは中田さんに成長してほしいという意味で、そう思いました。
黒卓第2試合
■高宮のいつものスタイルだったら高打点をアガっていたのに
2戦目のゲームもあちこちいっぱい動いて、見ていて面白かったね。醍醐さんのオーラスの手筋もたいしたもんだし。
東1局で、醍醐さんが5巡目にドラの
を外した後に園田さんが重ねて、大介さんがそれを食わせたんだよね。あまりいい手じゃないから外さない手もあるけど、外すなら同巡だったかな、とは思う。もしくはずっと持っているかが手筋かなと思うけど、これはちょっと中途半端だったね。これで局が乱れたことは乱れたんだけど、それが悪いというわけではなくて。
この局で園田さんがドラを鳴いて
が出た後に下家の高宮さんが
を持って来て
を切ったけど、僕としてはこれはツモ切ってほしかった。やっぱり、高宮さんの特長が何かと言ったら、良いときの攻めが強力なんだよね。
この局は第1ツモでカン
を引いていたのよ。これは攻めるタイプの人にとっては理想的なツモね。それなのにドラポンで手を崩したと見えるわけ。この手はまだ形になっていないんだけど、このツモを持った人は悪いわけがない。ツモが「行け」と言っているのを感じ取って、前に出ていかないとダメなのよ。僕だったらこれは
しか切らない。
その後にも
を持って来ているけど、そのときには
を切らないといけない。そうするとペン
、![]()
の一気通貫の1シャンテンになっているわけよ。
そして
を引いて、高宮さんの麻雀だったら
を切ってリーチしかない。その形になっているのが普通なわけよ、高宮さんが攻める気であれば。
は鳴いている園田さんの現物だったんだけど、要は「打たない麻雀」になっていたわけ。攻める麻雀じゃなくて打たない麻雀。
もし、チームの1戦目がトップだったら、一気通貫の1シャンテンの形になっているかもしれない。それは、チーム状況で打牌が変わったってことだよね。そりゃあ放銃の可能性は確かにあるけど、
は切りやすかった。何でかというと、園田さんの上家が
を鳴く前に
を外したんだよ。だから僕なんかは
も
も外しやすいな、と思う。
が来たときには手筋的には手牌でイッツーの目が伸びたんだから
を切らなくちゃいけないってこと。
ツモ山を逆算していくと、ツモアガっているんだよね。それを逃したなと僕なんかは思う。この1局を見たら、高宮さんのトップはないと思った。ツキはあるけどアガリを逃したのが大きいよね。もったいないなって、いつものスタイルだったら2000-4000、3000-6000になっているんだろうと思う。
高宮さんは戦って寄せてくるタイプだから、アガリを1回逃しちゃうと厳しいなと思った。これは結果論で言っているわけではないよ。僕はその手筋で放銃しても、「高宮まりはこう打たなくちゃいけないよ」と思う。打ち方が悪いかというと悪くはないけど、高宮まりらしくはないなと思ったね。

日本プロ麻雀連盟所属。
2019年、Mリーグに新規参入するKADOKAWAサクラナイツより指名を受けてMリーガーとなり、円熟味のある独創的な打牌の数々でファンを沸かせた。
2022年に大病を患い契約満了となったが、現在も精力的にプロ活動を行っている。














