例えば
この一枚切れの
単騎に変えて、アガリ牌を増やすこと。
だが茅森は、それをしない。
「手出しをあんまりしたくなかったんで。」
「手出しを増やさない」は、つまり情報を増やさないということ。単騎待ちの匂いを濃くしない。待ちを変える=手の内をしゃべる、を避けたのである。
悪戯っぽい正体は、ここだ。
アガリを追いながら、同時に相手からの見え方も考える。
そして、その見え方の先に立っていたのが
内川であった。
以前、四暗刻・地獄単騎待ちに放銃したあの
。
その記憶を知っているかのように、茅森は
を抱え続ける。
「持ってるかな(笑)。」
まるで、冗談の形をした予言。
そしてその予言通り、左端には…。
持っていた!
そうなると、あの時と同じように吸い込まれていく。
3,900は4,200。
最終的にこのアガリが効いて、茅森は3着でこの試合を終えると、小林はラスに沈んだのだった。
そしてここから先は、声のトーンが変わる。
悔しさがそのまま言葉になっていた。
「EARTH JETSだけデイリー・ダブルがないから、いよいよ打ち破れるかなーって思ったんですけどね。」
そう漏らしたのは
今、チーム内でも好調の三浦であった。
南1局4本場供託2本

を引いてイーシャンテン。いわゆる、くっつきの選択である。候補は![]()
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あたりになってくるだろう。
ここで、三浦の手が止まる。
実はこの形、役がなくなる
と、場に1枚切られている
をカウントから外すと、どれを切っても有効牌は32枚〜33枚。数字だけ見れば大差がないのだ。
だからこそ迷う。
実際、いったん
に指がかかったが

離してもう一度考え直す。そして、
切りとした!
ドラ受けや、一盃口という打点の確保を考えれば、わずかに
切りの方が期待値は高い。
しかし、三浦はこう語る。
「フラットなら
切りかなって思いましたが、二人がピンズの下目を早く切っていたので照準をそこに合わせようかなと。」
読み通り、ピンズの下目はゴロゴロ残っていた。
そして、その一つである
を引き込むと
更なる下目の
を掘り当て4,000オール。
「数字上の最適解」よりも「卓上の実感」を優先した一打。
この局面でこそ見える、まさに感覚派でもある三浦の感性の鋭さが出た“らしい”アガリとなった。
ただ“らしく”なかったのは
「でも裏が乗ればなー…あぁ! なんでもないっす(笑)。」
普段なら、結果を淡々と受け止める三浦が、珍しく偶然役をねだったこと。
しかし、今置かれている境遇を考えれば、そんな神頼みも無理はない。一枚の裏ドラにすら、すがりたくなるのだ。













