内川幸太郎、怒りの連投──烈風とマエストロの帰還──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 2/20 第2試合(麻雀チャンネル2)】担当記者 小林正和

そして、その三浦が望んでいた想い、最終的にトップという形を掴み取ったのは


赤のユニホームが似合う、真紅の烈風・内川だった。

「(一戦目)ラスくったけど、行かせてくださいって直訴しましたよ。幸太郎ブチギレ・モードでしたね(笑)。」

本人いわく、その直訴はかつて四暗刻・地獄の【西】単騎待ちを放銃した時以来だという。

ただし、この試合の勝因は派手な一撃ではない。
「ブチギレモード」の正体は、最後まで諦めない執念と、あの呼び名を思い出す手順にあった。

東3局

先述した三浦のドラドラ仕掛け【9マン】【6ピン】のシャンポン待ちの局。そのまま進めば、内川にとっては「見送る」しかない空気だった。

だが、そこで止まらないのが今日のモード。
【4ピン】チーでテンパイ料を目指すと
少しでも動かして、結果的に相手のアガリ筋を削る。

三浦のツモアガリ牌であった【6ピン】が下家の小林のもとへ。まさに「食い下がる」という言葉が、これ以上なく似合う動きとなった。

三浦の一人テンパイで、点棒は大きくは動かない何気ない局。だがその裏では、アガリ牌は、確かに一度、飲み込まれていたのである。

そして迎えた東4局1本場

こちらは、茅森の七対子【發】単騎リーチのシーン。

それを受けて親の内川は


【發】をトイツで抱えている。つまり、一発放銃の未来すらある状況だ。

いったんは現物の【2マン】を切り、それは回避するも依然と放銃との隣り合わせが続く。

だが、その心配はいらなかった。

浮いていた【4ピン】が重なると打【3マン】とし、なんと内川は攻めに転じたのである。

「あの局は、前局の【西】単騎待ち放銃が少し脳裏に残ってたのもあって(笑)。だがら、【發】も仕掛けて【2マン】【3マン】って切って行って攻めるつもりでしたよ。」

つまり、余計な心配だったということ。

残した【4ピン】をアンコにし、追いつくと

リーチ・ツモ・ドラ
2,000オール(+1,300)

このアガリによりトップ目に立つ。

そして、圧巻だったのは南1局5本場であった。


【9マン】をツモってきたところで、さて何切る!?

連荘中の三浦の親をいなすなら、手広く【8マン】が第一候補かと思われた。しかし、


内川は【9マン】ツモ切りとした。
三色だけに照準を合わせた選択である。すると


すぐさまツモ【8ピン】

ツモ【7マン】でテンパイ。

そこへ小林のリーチが飛んでくるや否や、迷いなく「怒りの!?」追いかけツモ切りリーチを、卓上に叩きつけるように打ち返すと

この小林からの満貫出アガリが決勝点となり、内川がトップの座を掴み取ったのだった。

最後の局の手順は、本人の言葉を借りれば「仕掛けメイン」。

だがその選択の一打一打には、かつての通り名「手順マエストロ」を彷彿とさせる気品が、静かな炎となって揺れていたのである。

そして、今季の最高スコアはもちろん、個人スコア、4着回避率、最多トップ賞まで。積み上げてきた数字の先に、いま四つの冠がほんのり見えてきた。

真紅の烈風に手順マエストロがかけ合わさった時──。

炎護舞隊が待ち望んだ、本当の「内川幸太郎のシーズン」が、走り出したのかもしれない。

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