こうして東城が切ってしまった
に、滝沢のロンの声がかかった。
東城にしてみれば、ちょっとどういうことか分からない8000。しかし、フリテンなどルールに抵触していない限り、払わなければならない。
東城は東4局の僥倖を生かし切ることができず、トップ争いから離脱した、はずだった。
南3局
先制リーチを放ったのは、先ほど手痛い放銃をして、ラス目に落ちたばかりの東城。ドラドラのシャンポンリーチをアガって、戦線に復帰したい。オーラスの親番があれば、まだ舞える。
オリて自らの親を手放し、オーラスを有利な立場で迎えることもできた滝沢。しかし、滝沢が13巡目に下した決断は、追いかけリーチだった。試合後に滝沢は語る。
「東城さんの河にターツ選択がなかったから愚形も十分あるし、何より自分の手牌に安全牌が少なかったので行きました」
東城のドラシャンポンが山に1枚、滝沢のペン
が山に2枚。滝沢の目論見通り、有利なめくり合いに持ち込むことができたわけだが、
ラス牌の
をつかんだのは滝沢だった。東城がロンアガリすると、裏ドラ表示牌に
が転がり、裏3の12000に。
これで南4局はいわゆる「全員集合」の状態で戦うこととなった。タッキー劇場の開幕というわけである。
南4局
「チー」
赤赤の手牌をもらい、ペン
に声をかけたのは、親の東城。この鳴きでドラの
を1枚確定させ、自風の
バックで12000以上のアガリをねらう。
Mトーナメント2026で優勝し、今季のMリーグでもここまで最多得点である82700点の記録を持つ東城。まだよ、まだ私のカーニバルは終わらない。ここからもっとカーニバってみせる!
しかし、3枚目の
を引き入れ、![]()
・
リーチを打った滝沢に死角はなかった。
東城は、テンパイ打牌がつかまり、万事休す。
「いやー、最後危なかったよなあ」そんなKONAMI麻雀格闘倶楽部ファンの声で賑やかな今夜のタッキー劇場、無事閉幕と相成った。めでたし、めでたし。
横移動で2着となった亜樹。あえて火中の栗は拾わず、チームにプラスポイントを持ち帰れたのは大きい。
4度のアガリで2度の放銃をカバーした滝沢、2度の12000を4度の放銃で溶かした東城。傷だらけの2人を含む、40人のMリーガーによる戦いは、今月幕を開けたばかりだ。
放銃0のパーフェクトゲームは美しい。しかし、殴り合いは興行として盛り上がる。無論、滝沢が視聴者映えを意識したことはないだろうが、面白い試合が見られたし、面白い試合の観戦記を担当できて、筆者はとっても幸せな夜だったのである。

中島由矩(なかしま・よしつね)1978年1月25日生まれ石川県金沢市出身・在住。日本プロ麻雀協会20期前期。
学習塾中島塾代表、ボードゲームサークルタカラバコ代表、健康麻雀教室講師、2025年から石川県金沢市で私設リーグ【タカラバコリーグ】を立ち上げるなど、精力的に活動している。
通称【アルパカnote】https://note.com/nakashima_npm












