遅れてきた高宮まりが
3着目から奪ったデイリーダブル
文・うめきち【月曜担当ライター】2026年9月28日
遅れてきた主役。今季初登板の高宮まりに、私はそんな言葉を贈りたい。
開幕から3週目。KONAMI麻雀格闘倶楽部の高宮は、ここまで一度も卓につかなかった。満を持しての登場である。この日の画面にその名前を見つけたとき、私は少し背筋が伸びた。
第2試合
東家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:勝又健志(EX風林火山)
西家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
北家:中田花奈(BEAST X)
笑顔の中田花奈と揃った役者たち
首位を走る渋谷ABEMASの多井は2連勝中で、開幕3連勝がかかっている。勝又は1位、2位、2位と好調。中田は4位、1位、4位と波がある。過去の対戦成績では、多井は高宮に負け越し、勝又は中田に勝ち越している。舞台は整った。
そんな卓で、私がまず目を奪われたのは、試合前のあいさつでの中田の笑顔だった。
爽やか、という言葉がぴったりだ。昨季もそうだったが、今季も1、2年目に比べて表情がずっとやわらかい。自信があって、落ち着いている。私は、麻雀を楽しもうという気持ちがあるからじゃないかと見ている。そしてその余裕が、昨季のいい成績につながったのだろう。
嵐の前の静けさと皮肉なカンドラ
今季のMリーグは、リーチすると裏が2個、3個のるド派手なアガリが続いてきた。ところがこの試合、東3局までは驚くほど静かな立ち上がりだった。嵐の前の静けさ、というやつである。もちろん、このまま終わるはずがない。
最初に空気が動いたのは東4局。多井がホンイツ模様で、テンパイの気配を漂わせていた。
実際には早々にホンイツ![]()
でペン
のテンパイ。
そこへ高宮は、
を押していく。
さらにドラまで切って、強気のリーチ。
ぶっちゃけ、なかなかできる手ではない。
そしてこの時のツモ山に手を伸ばす高宮のりりしい表情が印象的だった。
高宮はツモってきた
をカンした。
ところが、めくれたカンドラは
。
よりによって、それが多井の手に乗ってしまった。皮肉である。
対する多井は、もうやってらんないよ、という疲れた顔をしていた。
ペン
という待ちの悪さがそうさせたのだろう。しかし、そこで
をツモってくるのが多井だ。
ほっとしたように、静かに、渋く「3000・6000」と発声。貫録である。
多井3連勝なるか。誰もがそう思ったはずだ。
ペンチャンでも迷わない高宮
南1局、高宮の親番。リーチ一発ツモ、2000オール。
待ちはペンチャンだったが、迷いなく、即座にリーチと言った。
腹が据わっている。第1試合では、チームメイトの滝沢和典がトップを取った。その勢いを借りてデイリーダブルを決めたい。そんな思いが、高宮の胸中にはあったのではないか。
南1局1本場、連荘はさせないとばかりに中田が動く。
をポンし、ドラドラでトイトイも見える手に育てた。
をポンして、ついにテンパイ。
勝又もスジひっかけのドラのカン
でリーチをかけて参戦する。
しかし、
力強くツモったのは中田だった。2100・4100。
充実の一撃である。
南2局は、高宮が500・1000で勝又の親を軽く流した。
ここまでの点数は、多井31000、中田28400、高宮26300。誰がトップを取ってもおかしくない。
オーラスの90秒と勝又の見逃し
南4局1本場、オーラス。多井、高宮、中田の3人がほぼ横一線に並んだ。多井が逃げ切れるか。それがこの局の焦点である。ここまで淡泊に進んできた分、空気が一気にヒリつく。













