佐野ひなこ、三度目の正直【Mリーグ2026-27 観戦記 9/28 第2試合(麻雀ch)】担当記者 中野巧

佐野ひなこ、
三度目の正直

文・中野巧【月曜担当ライター】2026年9月28日

もともと江戸時代の言葉で、占いなどが2回目までは疑わしくとも、3度目は真実があらわれるという意味で『三度目の神は正直』、少し省略され『三度目の正直』となった。
ルーキーは3試合以内に結果(トップ)を出すのと、出さないのではファンからの印象や麻雀で最も大切なメンタルへの影響は天と地ほど差がある。Mリーグという実力者揃いの場では技術とメンタルの好不調は同じくらい結果に差が出るだろう。

今回が3度目の登板となる佐野ひなこ。相手は1年先輩のA1リーガーとチームのエース級が2人。小心者の私なら相手にとって不足なしと思いたくとも思えない相手である。

第2試合

東家:阿久津翔太(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
西家:石井一馬(EARTH JETS)
北家:佐野ひなこ(セガサミーフェニックス)

■あ、勝つかも

初勝利はいつだろう、これは他チームのファンであり気になるもの。やはり初勝利というのは特別な意味がある。過去2戦はMリーグの洗礼ともいえるような結果ではあったが、佐野の初勝利をイメージさせたのはドラ表示のカン【7ピン】待ちの三色・赤・ドラをツモった、南2局だろう。

 

 

「ただマンガンをアガった」わけでなく、この【7ピン】は山に残り1枚かつ、他家3人が【7ピン】が出ない形だった(一馬も巡目的にテンパイを取るだろう)。これは麻雀あるあるだが、勝つときは悪い待ちでもなんでも、テンパイしてすぐのところにアガリ牌が積まれている。だからテンパイして相手とめくり合うことや、1牌を勝負することもなくアガることができる。
このアガリで佐野はトップ目に立った、初勝利まで残り2局。

■一馬の選択

南3局。一馬は親番で2巡目にシャンポン待ちでテンパイし、次巡アガリ牌をツモってくる。一人1万点台のラス目、この巡目、この手で『ツモ。2000オール』と言いたくない。

一馬は【2ピン】–【5ピン】–【8ピン】のフリテンリーチとした。残り14巡でツモることができたら4000オール、2000オールのアガリは拒否して、ダブルアップのチャンスに懸けた。

どんどん巡目が進み、一馬は息を吐きながら目を見開く、「シャンポンなら何度アガってたんだろう」。結果論だが、【4ソウ】と【6ソウ】のシャンポンなら3回アガれていた。

結果は、流局。一馬にとっては当初の2000オール=6000点の加点から、リーチ棒を出したこと、佐野がちゃっかりテンパイを取っていることで、たった500点の加点になってしまった。
佐野にとっては、競っている2着、3着目と3000点差をつけられ、先ほどの南2局に続いて、いい結果となった。

■楽に勝たしてよ

 

佐野にとっていいムードで迎えた南3局1本場。2着目、阿久津の手には赤2枚、2メンツ1雀頭完成、3着目仲林の手はドラの【發】がトイツ、3メンチャンとリャンメンで2名とも2シャンテン。この場面で1日打って数回あるかないかの手が入らなくても…、とファンは思っただろう。

5巡目、手が進んだ親の一馬からドラの【發】が打たれ、仲林がポン。

すぐにテンパイ。仲林の待ち【1ピン】–【4ピン】–【7ピン】は山に10枚。

親の一馬もテンパイ、【2ソウ】–【5ソウ】。山に3枚。王牌を除く残り山に積まれている52枚のうち1/4が誰かの当たり牌だ。

今回は枚数が多い順で仲林のアガリに。

そして、迎えるオーラス。なんと先ほどのアガリで仲林と佐野が同点。親番である佐野は阿久津か一馬がツモった時点で仲林より多く失点するため、仲林よりもトップのパターンが減っており、不利だ。

 

しかし、先にテンパイを入れたのは佐野。8巡目に【發】をポンして、すぐに1000オールのツモアガリ。これで阿久津のマンガンツモにも耐えられる。

オーラス1本場。佐野は落ち着いて【1マン】【5ピン】のシャンポンテンパイを外して、【4ピン】–【7ピン】待ちにしリーチ。ここでアガると仲林のマンガンツモ条件も消える、勝負をかけた。

しかし、佐野がリーチ棒を出したことで仲林のトップ条件が軽くなる。リーチのみ1300の直撃でも逆転に。佐野からしたらヒヤヒヤもの、仲林からの追いかけリーチ。

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