【 #神域リーグ2023 第10節第29試合観戦記】”因幡の黄兎” 神域リーグとチームのため 因幡はねるが選んだ道【文 #後藤哲冶 】

”因幡の黄兎”
神域リーグとチームのため
因幡はねるが選んだ道

第29試合を迎えて、チームヘラクレスはかなり良い位置で戦っていた。

250pt近いプラスを積み上げ、チームは首位。
残り2試合を終えて、首位を維持できればファイナルへジャンプアップすることができる。
2位のアキレスが抜け番なことを考えれば、この後がラス2回でも、相当なことが無い限りはファイナル進出を一足先に決められる。

しかしだからといって、ヘラクレスが安全圏かと言われれば全くそうではない。
レギュラーの成績が半分になってファイナルになる以上、今のままではアキレスとの差は100ptを切っている。
トップラス1回でひっくり返る差であることを考えれば、とても安全とは言えないだろう。

そんな中、一戦目空星3着を受けて、大事な29試合を任されたのは因幡はねる。
ファイナル進出はかなり期待できそうな位置ではあるが、ファイナルの事を考えればもっとリードは欲しい。

総合優勝に向けての大事な一戦が始まった。

第29試合
東家 ルイス・キャミ― (チームゼウス)
南家 因幡はねる  (チームヘラクレス)
西家 村上淳   (チームアトラス)
北家 朝陽にいな (チームグラディウス)

東1局、因幡が【7ピン】を持ってきて【8ピン】切り。
何気なく打っている一打だが、これも基本に忠実な良い一打だ。
頭候補が3つあるときは2つにする方が良く、一番強い形の【3ピン】【6ピン】【9ピン】待ちの箇所を固定。
神域リーグを通じて成長を続ける因幡の雀力が良く表れている。

イーシャンテンだったところで、村上からリーチが入る。
ルイスから出た【9ピン】をチーすれば【2マン】【5マン】待ちの一気通貫テンパイだが……。

因幡はこれをスルー。一気通貫ドラ1でテンパイしても、2000点にしかならない。
後で手牌が短くなった状況でオリるくらいなら、メンゼンでテンパイを入れてリーチするか、オリるかに選択肢を絞った。

しばらくくっつきのイーシャンテンで粘っていた因幡の元に、1枚切れの【西】がやってくる。

「これチートイなのぉ……?!」

なんとこの【西】が村上への放銃牌。
村上がチートイツらしくない河を、しっかりと作ってきた。
因幡にとっては痛い、12000の放銃で第29試合は始まった。

因幡の親は流局してしまい、東3局2本場へ。

ここにきて一番アガれそうな配牌が因幡に入った。
最初のツモが【赤5マン】というのも良い。かなりアガれそうな手牌に見える。

しかし待てど暮らせど、因幡の手元にピンズが入らない。
因幡が欲しい【9ピン】、次々と他家にツモ切られていく。

【9ピン】無いなる……噓でしょ……?」

結局、因幡は配牌からほぼ変わらない形のまま、朝陽のアガリ。
なんとも牌の巡りがかみ合わない、苦しい展開だ。

第28試合でもトップを取った朝陽の勢いが止まらない。親番で1人テンパイ流局をしてからの1本場

カン【4ソウ】のリーチドラ赤を村上から討ち取って7700。
トップ目からの直撃ということもあり、これでトップ目に立つと。

続く2本場では4000オールのツモアガリ。
グラディウスをファイナルに導くべく戦う戦姫が、MVPを取らんばかりの勢いの猛攻。

朝陽の鋭い踏み込みは、3本場にも表れる。
村上が【白】とドラの【東】を鳴いて前に出てきているシーン。朝陽は【3ソウ】をチーして発を打てば【5マン】【8マン】のテンパイ。
しかし打点は1500点しかない。それに【發】生牌だ。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀新刊&おすすめ/