っくしゅん! ぶえっくしゅん!(ずびーっ)
おほん、儂じゃよー! 今日も元気に3000・6000! 麻雀歴1000年の鴉天狗、千羽黒乃が今週もキンマwebに参上じゃ!
ようやく長い冬も終わり、ぽかぽか暖かくなってきたのは良いのじゃが、今年の花粉はなかなかに猛烈じゃな! ーっと、それはさておき! 気を取り直して、今週も儂と一緒に麻雀じゃ!
先週のコラムでは「スリムな構え、ブクブクな構え」について説明したのじゃ。ちゃんと読んでくれたのじゃ?
「スリムな構え」は守備に使える牌を抱えるので、安全に押し返しやすい! 「ブクブクな構え」は受け入れ枚数が広く、先制攻撃をかけやすい! どちらにもメリット・デメリットがあるので、効果的に使い分けるのがレベルアップへの道というお話だったのじゃ!
【山が透けて見えたらいいのに!】
あー! 次にツモる牌が分かればいいのになーーー!!
って思ったこと、お主はないのじゃ? 儂はあるのじゃ!
そんなことを強く願うのは、たとえば手牌がこんな形のとき!
ドラが対子の一向聴、なんとしても和了りたいチャンス手じゃ!
そしてそして、ここは同時に運命の選択の場面でもあるのじゃ。なにしろここで、かかどちらかの受けを払わねばならないのじゃ!
と、どちらも場には1枚も切られていないとして、果たしてどちらを選ぶのが良いのかのう? 当てずっぽうで選んでしまうのも一つの打ち方じゃが、そんな時に役立つのが!
天狗アイーは透視力~!(勇ましいイントロ)
…ではなくて、「山読み」じゃ!
【「山読み」ってなんなのじゃ?】
麻雀を打っている方なら、「読み」という単語を一度は聞いたことがあるはずじゃ。
でも、この「読み」っていったいどんな意味なのか、ちゃーんとご存知かのう? 単に「読み」とだけ一口に言ってしまうと「相手の待ちを読んで、当たり牌を止めることかな?」と受け取る方も多いかもしれないけど、実は麻雀には様々な種類の「読み」があるのじゃ!
たとえば相手が聴牌なのか一向聴なのか、まだバラバラなのかを推理するのは「速度読み」。
相手の手がどれくらいの高さなのかを予想する「打点読み」。
相手の仕掛けを見て、どんな役を狙っているか看破するのが「手役読み」。
はたまた、はじめに例に挙げた「待ち読み」などなど。
これらの「目に見えない情報を、目に見える情報から推理する技術」を総称したものが麻雀における「読み」の正体であり、意味するところじゃ! (将棋や囲碁における「読み」とやや意味合いが異なっているのは、見えていない情報が多い麻雀ならではじゃな!)
ではでは、お主らも気になっているじゃろう「山読み」は何かというと! 読んで字のごとく「山に残っている牌・あまり残っていない牌を推理する技術」のことじゃ!
この技術を習得すれば! 先程のとの比較のような、愚形ターツのどちらかを選んで落とさなければいけないときに、より「山に残っている可能性が高い待ち」を判別して残すことができるようになるのじゃ!
【山読みの基本!】
では、実際に何を手がかりに推理すれば良いのじゃろう?
名探偵が推理の前に現場からヒントを探すのと同じように、儂たちも「捨て牌」から隠されたヒントを探っていくのじゃ!
まずはこちらの対局図を見て、と、どちらの待ちが山に残っていそうか推理してみてほしいのじゃ!
ヒントは「他家が序盤に捨てた牌」じゃよ!
考えてみたのじゃ? ではでは結果発表!
正解は~~~……
「」じゃ!(正解者に拍手じゃ~👏👏!)
なぜなら、序盤に切られた牌の周りは、持たれていないことが多いからじゃ!
手作りの基本は「牌を内に寄せる」と、「繋がっているところを残す」。この2つは多くの雀士が実戦している打ち方じゃ。そして、これは裏を返せば、「序盤に切られた数牌は、孤立していたから切られたんだな!」と推理することができるのじゃ。
たとえば、序盤にを切った人は、手の中にとは持ってなさそうだな!
序盤にを切った人は、,,,を持ってなそうだぞ! と推理することができるのじゃ!
この対局図の「萬子の下は誰も持ってなさそう!(山に残っていそう!)」のような情報のことは、麻雀通の方だと「カンは場況がいいね!」とか「萬子の下は景色が良いね!」なんて言ったりすることもあるのじゃ。ついでに覚えておくと、ちょっぴりクロウト気分が味わえるかもじゃ!
【場況の良い待ちを残す、様々なメリット!】
「が山に残ってそうなのは分かったよ! でも、残り4枚の待ちじゃ、結局ツモれなかったら同じじゃない?」 なーんて、もしかして思ったりしたのじゃ?
場況が良い待ちを残すメリットは、それだけではないんじゃよ! (もちろん、枚数が多い待ちに受けてる時点でものすごーーーくメリットではあるんだけど) 隠れたメリットをさらに2つ、ご紹介しちゃうのじゃ!
メリットその① 他家の現物が手の中に残る!
カンを残すということは、という他家の現物を含んだターツが手の中に残るということじゃ! は下家と対面の安牌、は上家の安牌! つまり、全員の安牌を抱えたまま手を進行することができる、攻防一体の長所を兼ね備えた戦術なのじゃ!
メリットその② 他家からのロン和了が期待できる !
既にやを切っている人にとって、は面子に組み込みづらい牌じゃ。なにしろ自力で周りの萬子を引き戻さない限り、フリテンの受けが残ってしまうからのう!
と、いうことは……。序盤にやを切っている人がリーチ後にを掴んだなら、そのは非常に使いづらい! 押し返そうとすると、ほぼ手から溢れてしまう牌になるのじゃ!
こうした理由から、場況の良い待ちは自分でツモれずとも、他家が押し返そうとして放銃する可能性が高まるのじゃ!
こんなふうに一石二鳥も三鳥もある、覚えて嬉しい「山読み」テクニック!
様々な場面で役に立つので、ぜひぜひ実践してみてほしいのじゃ!
【今回のまとめじゃ!】
・「山読み」とは「場に切られた牌から、山に残っている牌を推理する」こと。
・他家が序盤に切った牌の周りは、持たれていないことが多い=山に残っていそう!
・「山読み」は攻防に役立つテクニック!