西原理恵子 & 山崎一夫 単行本「迷って選んだ答えは必ず間違い」発売中




単行本「迷って選んだ答えは
必ず間違い」好評発売中

(単行本前書きの一部)
 「もしもし、たいへんです。お店に刑務所の人が来てます」
「何、刑務所が?」

ウチでうたた寝している所に、緊急連絡を受けて、思わず枕を持って逃げだそうとしてしまいました。
はて? 警察ならともかく、刑務所が来るってのもヘンです。良く聞けば、どうやら税務署が来たということらしい。

「具体的にどう対応したのか、その結果どうなったのか、もう少し詳しく教えて欲しい」

友人や店のお客さんに良く聞かれます。
聞かれれば答えてるんですが、当事者の自分の考えや主張が、事実かどうかはかなり疑問です。
ウソは言ったり書いたりはしませんが、

「言いたくないことや、不利になりそうなことはしない」

はあります。

私の記憶自体も、自分の都合のいいように変わっている可能性もあります。
なので、ここに書いてあることは話半分、みなさんが受ける印象よりも、実態は私のほうがかなり悪いと思ってください。

発端は、3年前に従業員に作らせた株式会社でした。

「親方、たぬを株式会社にしてもいいですか? 勉強して自分で登記しますから」

登記した従業員はすぐに退職したんですが、それをそのまま放っておいたのが大失敗でした。
税務署の人に厳しく言われました。

「山崎社長、会社設立後一度も申告がないなんて、いったい何のために会社を作ったんですか?」

「いやその…」

色々質問を受けても、無知と後ろめたさで、まともに答えることができません。

 

「会社の銀行口座は作っていません。売り上げや経費の動きなら、パソコンの記録と、個人の銀行カードで分かると思います」

これも大失敗。
後日税金で苦労している古い友だちに言われました。

「そんなバカなことをしてどうする。現金を見せたら根こそぎ持っていかれて、ヘタをすると借金を背負わされるぞ」

 

西原理恵子さんが言うには

「それは疲れすぎ。仕事で疲れてて、正常な判断ができなくなっていたのよ」

二人の言うように、その後税金の面でも精神的にも、どんどん追い込まれてしまい、一時はウツ状態になってしまいました。

 

友人と幸運に恵まれて
なんとか生きのびてます

私の場合は論外ですが、理不尽ないきさつで税金で苦労している人も多い。
先の友だちの場合はこうでした。

飲食店チェーンの自分の会社が急成長している時に、名目上の自分の給料を最大に取って、それを全額増資に充てていました。

実質的には給料を取らずに、その分を店舗などの設備投資に回していたんです。

無理な投資が災いしたのか、やがて会社は倒産し、会社のお金も無くなってしまいました。

ところが、過去の個人の高額な給料に対して税金がかかって来たんです。

「給料なんか一回も見たことがない」

やり方が悪かったと言えばそうですが、気の毒な感じもします。

ただし、私たちのような自営業者と違って、給与所得者は有無を言わせずに天引きされるのは、納得がいかないかもしれません。

税務署からは、
「あれもダメ、これもダメ、それはもっとダメ」

と厳しい追求が続きます。

 

給与所得者なら、労災で過労死に認定されるくらいの仕事時間に税金問題を抱え、心身の疲労が極限まで溜まったようです。

ある日自宅で先の友だちと電話しているうちに、つい眠ってしまいました。

「あの時は、山崎が脳卒中で倒れたと思った」

私からの応答が無くなり、イビキだけが聞こえたというんです。
翌日、友だちは税務署に電話したそうです。

「山崎は隠し財産は無いと言っている。あることを前提にした見込み調査はやめてくれ」

取り引き先の島本慶さん(なめだるま親方)の会社に、私関係で税務署員が調査に来ました。

「最近、山ちゃん痩せちゃってかわいそうだよ。いいかげんに済ませてやったらどうですか」

私自身も、何回も断られながらも、なんとか嘆願書を2回提出しました。

「この内容では受け取れませんので、直してください」