あの時のあの場所で…。
文・小林正和【金曜担当ライター】2024年11月22日
絶対王者・渋谷ABEMASがまさかの▲400P超え。
深い奈落の谷間を彷徨っているチーム状況において、本日の第一試合に送り出されたのが
キャプテンからの激励も受け、個人スコア▲13.9Pと一番プラスに近い
“笑顔のサンシャイン”
日向藍子であった。
「諦めたら、そこで試合終了ですよ。」
吹きつける“逆風”を花びらが揺れるような“そよ風”へと変えていく。
過ぎ去った夏の記憶を呼び覚ますように、太陽の光をたくさん浴びた向日葵は卓上を眩しい笑顔で照らしていた。
第1試合
東家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:浅見真紀(赤坂ドリブンズ)
西家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
北家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
この試合チャンスらしい機会が訪れる事なく、アガリ回数0回と言う、いわゆるお地蔵ラスを“受け入れた”のが
“小さな天才”
堀慎吾であった。
ただし、チャンスが全く無かったと言う訳ではない。
例えば東2局の
3人に攻め込まれながらも七対子で追いついた局や
東3局
こちらも全員から仕掛けやリーチなど、何かしらのアクションを受けながらもテンパイまでには辿り着いている。
しかし、堀は両方とも守備に徹した。
その理由とは…
東2局
単騎、単騎ともに純カラ。
それに、待ち牌がリーチ者の手の内に組み込まれているので出アガリの可能性も無い。
また東3局では
がリーチ者へ一発放銃となっていたからである。
まさに鋭い読みの精度であった。
ただし今回は、どちらとも点数が安く愚形残りと手牌価値も低い。堀にとっては止めたうちには入らないだろう。
この半荘を通して一番“堀らしさ”が際立って表れたのは
東1局であった。
確定の三色・一盃口テンパイにを先に切っているカン待ち。更に追い風となっているのが、自身が親番であり打点・待ちとも申し分ない状況。
気掛かりなのは日向と優からのリーチだが…一人には現物でもう一人には筋という、むしろ好都合とも言える。
リーチorヤミテン
さて堀が選んだのは…
何と、どちらでもなく雀頭の切りであった!
その時の全体図がこちら。
注目ポイントは3つある。
① 優の10巡目
② 堀の目からが全て見えている
③ 浅見の14巡目