「Mリーグドラフトの
結果には危機感を
覚えざるを得ない」
日本プロ麻雀協会
五十嵐毅代表インタビュー
文・東川亮
7月9日(火)に行われた
において、8選手がMリーグ所属チームから指名を受けた。内訳は、日本プロ麻雀連盟が5名、最高位戦日本プロ麻雀協会が3名となり、日本プロ麻雀協会所属選手への指名はなかった。
日本プロ麻雀協会はこの結果をどう捉え、今後どのように取り組んでいくのか。代表理事である五十嵐毅(いがらしたけし)プロにお話を伺った。
■上層部のプロデュース能力が疑われても致し方ない
– まず、今回のMリーグドラフトの結果について、率直なご意見をお聞かせください。
五十嵐 事前に行われた人気投票では水口(みずぐち)が1位でしたし、雀王を2連覇して最強位も獲った金(きむ)などには、トップレベルの期待がかかっていたと思います。僕が協会の人間だからというわけではなく、客観的に見てもそうだったと思います。しかしこういう結果になり、正直、非常に厳しいと感じています。ただ、彼らはよくやったと思いますし、彼らに責任はないと思います。
もしあるとしたら、僕をはじめ、協会上層部のプロデュース能力などが疑われても致し方ないでしょう。もっと選手の良さをアピールできるやり方を真剣に考え、やっておくべきだったと思わざるを得ません。
– どういうところが足りなかったとお考えでしょうか。
五十嵐 スポンサー企業が何を求めているかを調査し、感じておくべきだったと思います。麻雀の部分はプレゼンテーションしていたつもりなのですが、選手の個性についても説明していくとか、そういう全方向的な気の配り方が足りなかったのは間違いないと思いますし、そこは反省点です。もしかしたら、企業の側としてはそういうところを重要視していたのかもしれませんから。
■Mリーグに行きたい選手は、これまで以上にバックアップしていく
– 今後、Mリーグに選手を輩出していくにあたり、どんな取り組みをしていこうとお考えでしょうか。
五十嵐 まだはっきりとは言えませんが、考えていることはあります。そして、鈴木たろうや松本吉弘を交えて現場の感触なども聞いた上で、何らかの対策を立てなければいけないと思っています。ただ、Mリーグに行きたいという選手については、協会としては少なくとも昨年、今年以上にバックアップをしていく方向で進むでしょう。もちろん、ルールやシステムなど、選手全員に関わることについては、総会の承認を得る必要があるのですが。
– これまで、団体に対して意見を伝えてきた選手はいるのでしょうか。
五十嵐 会って話をしたい、と言ってきた選手は何人かいます。まだ直接の話はできていないのですが、まずはそうした選手たちと会って、考えを聞きたいと思っています。
■危機感はある、その中で何かをしていかなければいけない
– 現状への危機感はお持ちだということですね。
五十嵐 これで持たなかったらだめでしょう。僕は協会の代表なので協会の運営が第一ではありますけど、このままでは協会自体の人気が落ちると思っていますから、当然危機感はあります。