黒川検事長辞任に思う政治と麻雀(菅直人インタビュー)

黒川検事長辞任に思う政治と麻雀(菅直人インタビュー)

最強戦実行委員長の金本です。

黒川検事長が辞任されその原因が麻雀ということで、5年前菅直人さんを近代麻雀で取材したときのことを思い出しました。その記事を掲載します。

少し勝つと『次の選挙資金だね』⁉

菅直人…1946年10月10日生まれ。山口県出身。東京工業大学を卒業後サラリーマン生活を経て政治の世界に入る。2010年第94代内閣総理大臣に就任。サラリーマン時代、麻雀の符と翻数を入力すると点数が出る自動点数計算機「ジャンタック」を開発し特許をとる。

 

自動点数計算機で特許を取る

菅「はい、これが僕が作った自動点数計算機」

梶本「おー本物だ! 自宅から持ってきていただいたんですね」

菅「うん、せっかく取材していただくと思ってね」

梶本「麻雀はいつごろから打たれたんですか?」

菅「私の父親が自宅でよく麻雀をしていたから、小学生から麻雀を見てはいたよ。けど、よく打つようになったのは学生になってからだね」

梶本「麻雀の成績はどうでした?」

「中の下ぐらいかな。うちの父が三色好きでね。自分もその影響を受けたのか、よく狙ってた。でも麻雀を打つのは多くて週に1回ぐらいだったね」

梶本「自動点数計算機(ジャンタック)を作るほどの方だから凄く打っていると想像していました。どういう経緯でこの機械を開発されたんですか?」

菅「私がそんなに麻雀にハマっていなかったから、たとえばビール飲みながら麻雀を打つと点数を数えるのが面倒でね。で、大学を卒業した後、少し時間ができたときにふと『そういえば麻雀の点数計算機なら作れるんじゃないかな?』と思ったんだ。で、仲間に話して一緒に作ることにした」

 

ジャンタック売り込み秘話

 

菅「自分が20代の頃のゲーム機は電子機器ではなくて『機械』なんだ。たとえば車のゲームだと、ベルトコンベアみたいな機械で道がぐるぐると回る。もし障害物にぶつかったら車がコケてベルトの動きが止まる、という機械だったよ。そういうゲームが主流のなか、エレクトロニクス(電子工学)のジャンタックを作ったんだ。これが売れたら、次は機械的ゲーム機器を電子的ゲーム機器、つまりエレクトロニクスへの転換を目指そう、と考えていたんだよ」

梶本「コンピューターゲームの先駆けをイメージされていたんですね」

菅「そう。ゲーム以外にも色々な機械のエレクトロニクス化は考えたね。ジャンタック自体は1人用だけど、これを4人の点数のやり取りまで表示する装置の特許も出して、製品化を目指して売り込んだ」

梶本「麻雀用具を作っている会社なら興味を示したのでは?」

菅「興味は持ってくれた。けど『大きすぎる』って言われてね。だから結局ベンチャー企業を作ることはできず、政治の世界でベンチャー政党を作ることになったけどね」

梶本「新しいものを作ることがお好きなんですね」

菅「当時はサラリーマンの傍ら選挙活動をしていた。選挙に落ちて暇になったらジャンタックを売り込みに行く、みたいなね。けど、資金を出してまでジャンタックの製品化に取り組んでくれる企業はついに現れなかったね」

 

麻雀は勝負事ではなくゲーム

 

梶本「麻雀から得た人生訓とか政治哲学のようなものはありますか?」

「簡単には思いつかないけど…、強いて言うなら『しのぐ』かな。麻雀も不調時はいかに放銃せずにしのぐか、ってあるよね。政治も色んな局面があって、行け行けドンドンの時もあれば、今の民主党のように我慢の時期もある。そういう部分が麻雀と似ているね」

梶本「他の議員さんとたちと対局する機会はありますか?」

菅「昔は何回か打った人はいたよ。江田(五月)さんたちとかね。でも、最近は麻雀よりお酒のほうが多いかな」

梶本「菅さんが初当選された頃の近代麻雀には、金丸信さん(政治家。第2次田中内閣の建設相をはじめ、国土庁長官、防衛庁長官、党幹事長、副総理、党副総裁などを歴任)が『博打で逮捕されるなら、国会議員の半分は捕まるんじゃないか?』と発言が出るほど麻雀が盛んだったみたいですね」

「たしかに自民党の一部では盛んだったねぇ。田中(角栄)派の人とは政党も違うし麻雀の付き合いはなかったけど有名な噂だから。角さんの周りにいたSさんという女性が若手議員を集めて麻雀を打たせていた、とか、当時の与党議員が野党議員を麻雀に誘ってわざと負けていた、という噂もあった。私は当時一年生議員だったし、そんな場面に遭遇したことはなかったけど」

梶本「一番印象に残っている打ち手は?」

菅「政治家じゃないけどいるね。ご主人に凄くお世話になった区議会議員の奥様なんだけど、ホントに麻雀が好きでね。旦那さんが亡くなられて高齢になっても、自宅の麻雀ルームに自動卓も入れてて仲間を集めて打ってたんだ。僕も年に2回ぐらいお見舞いを兼ねて行くんだけど、少し勝つと『次の選挙資金だね』とか冗談を言われて。そういう麻雀が楽しいよね。」

梶本「元気な顔を見にいって、一緒に会話しながら遊んで楽しむんですね。そういう意味では、まさに麻雀はコミュニケーションツールですね」

「だから私にとって麻雀は勝負事じゃなくゲームになるんだろうね」

 

近代麻雀2014年7月1日号バックナンバーより 文・梶本琢程 写真・長谷繁郎

 

いかがでしたでしょうか。当時、永田町の事務所でとても丁寧にお話をしていただいたことを思い出します。

政治と麻雀で言えば近代麻雀で連載中の『ムダヅモ無き改革』(著・大和田秀樹)が人気です。大切なことがすべて麻雀で決まるという麻雀を知らなくても楽しめる漫画です。

最後に怒りを。

週刊文春さんにも麻雀に詳しい方たくさんいらっしゃいます。一緒に打ったこともありますしそのときはコテンパンに近代麻雀編集部が負けました。だから…黒川検事長のことを記事にされるならひとつだけ言わせてください。

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