東大出てもバカはバカ

実行委員長の金本です。

最近会社の会議がズームでやられるようになった。

これなら家からでも参加できる。

今日の会議も11時からズームだ。

むろん会社に行ってもいいのだが、今回のは妻が11時までに子供を連れて友達の家に遊びに行ってくれるということで、会議には家から参加できることになった。

そして今日。

朝10時に起き、パソコンでズーム会議の準備をしていると妻も起きてきて昨日作ったデザートを準備し始めた。どうやら娘とタピオカとココナッツの汁っぽいデザートを作ったらしい。

僕の分も入れてくれたのだが、ふと

「あっココナッツ嫌いじゃなかったっけ」

と言ってきた。

嫌いなわけないし、嫌いだったら自分で言う。

そう思いながらパソコン作業を続ける。うちのパソコンは起動が遅い。

「カレーのときココナッツカレー嫌いって言ってたよね」

「んーー」

なんだか、めんどくさくなってきた。どっちでもいい、見てから考える、大丈夫に決まってる。そう思いながらパソコンに向かう。

準備が一段落した。時刻は10時10分。

テーブルに向かうともう妻と娘が食べ始めていた。おいしいらしいが少し塩を入れ過ぎたかなとか会話してる。

食べようかなと椅子に座ると、また

「ねえココナッツ嫌いじゃなかった?カレーのときココナッツカレー嫌いって言ってたよね」

しつこい。だまって食べさせてほしい。

が僕はそうは言わず

「いや、それとこれは別でしょ。カレーにお寿司が入ってたら嫌いだけどだからってお寿司嫌いなことにならんでしょ」

「いや、前ココナッツカレー嫌いって言ったじゃん。だから聞いてんの」

なおも食いつく妻。

「いや、だから、カレーにマグロ入ってたら嫌いだけど、だからってマグロ嫌いとはならないでしょ」

「カレーにマグロ入れるわけないじゃん」

妻を無視して食べようとする。

スプーンを持ち皿に半分入れた。

そのとき。

 

 

バーン!

机になにか響く音がした。

見ると妻が自分の皿を机に強く打ち付けて、中から汁が飛び散っていた。

「わーーーーーー!」

汁が腕にかかった娘は泣き出した。

それまで娘はずっと黙っていた。

「ごめん」

妻が娘にかかった汁をふく。

なおも大泣きする娘。

「わーーーーーーーー

もうーーーー!

やめてよ」

泣きじゃくる娘。

当然だがやめてよというのは、喧嘩のことだ。

いつもそうだ。

娘はいつも、すべてを黙って見て一人で悲しんでいる。

 

 

すべてが嫌になった。

 

僕はカバンを手に取ると着替えの部屋に駆け込んだ。急いでスーツに着替えていると妻が追いかけてきて、「謝ってよ!」と詰め寄る。

「なんで?」

「いつも偉そうなんよ!こっちが聞いてんじゃん」

「ごめん」

一言言ってそのまま家を飛び出す。

 

幸い顔だけ洗っていたがひげもそらず、歯も磨いてない。

こうして僕は会社のズーム会議のために急いで会社に行くというバカな行動をせざるをを得なくなった。

いやそれよりも、何倍もバカなのは娘の前で夫婦喧嘩をしてしまうことだ。

駅にむかって早歩きしながら思う。

結婚は失敗だった。

でも…いつか子供が育てば、少しずつ夫婦は仲良くなれるかもしれない。

とにかく、できるだけ家族で続けたい。

そして反省する。

どうして妻に

「大丈夫だよ、ありがとう」

と言えないんだろう。

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